「コメ」買い占めるの待って「お米の賞味期限」は意外と短いって本当?【JAや精米業者の回答が参考に】
「買い占めは本当に勘弁してほしい」
昨今の米不足により「米の買い占め」が問題視されており、SNS等でも冒頭のような投稿を見かけることが増えています。
そんな今だからこそ知っていただきたい「米を美味しく食べられる期間」について今回お伝えするとともに、米の買い占めについて考えます。
美味しい期間は意外と短い?
米は一般的な保存状態であれば、腐ることもほとんどなく、場合によっては数か月以上も日持ちすることがあります。
そのため忘れられがちですが、実は米も野菜などと同じ「生鮮食品」であり、時間の経過とともに劣化していくとともに、カビや虫が発生するリスクを抱えています。
そのため、「なるべく早く食べきる」というのが最も望ましいのですが、そこで気になるのが「美味しく食べらる期間はどのくらい?」ということではないでしょうか。
この答えは、一般的に1か月〜2か月程度といわれています。
実際に、精米事業や米の販売を手掛ける全農パールライス株式会社の公式サイトには、次のようなQ&Aが掲載されています。
Q)お米の賞味期限はいつまで
A)お米は野菜と同じ生鮮食品ですので、賞味期限表示はありませんが、保管状態が品質劣化に大きく影響します。
美味しく召し上がれるおすすめの期間は、一般精米・無洗米・もち米、また、開封・未開封にかかわらず、1〜2ヶ月程度です。
この目安を過ぎた場合でも、色や香りに異常がない場合は、食べられないということはありませんが、ご購入後はなるべく早めにお召し上がりください。
(太字は筆者)
「美味しく食べられる期間は意外と短い」と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、夏場など高温多湿の時期は、美味しく食べられる期間がさらに短くなる、ということもあり得ます。
これについては、JA全農いばらきの公式サイトにおいて、非常に見やすくまとめられているため、引用しながら説明します。
梅雨を迎える時期(5〜6月)には「20〜25日」、さらに気温が30度を超える時期(7〜8月)には「約15日」と、1か月よりも短い期間が「賞味期限」として紹介されています。
最近では、地域によって9月でも30度を超える日があるため、米を美味しく食べられる期間は短めに算段しておく方が無難かもしれません。
2つの視点から「米のまとめ買い」について考える
ここまでの情報をまとめると、米は生鮮食品であり、美味しく食べられる期間は長くても1〜2か月程度ということになります。
つまり、特別な事情がない限り、米は購入月かその翌月くらいまでに食べきれる分を買い、その都度消費していくというのが、「美味しく食べる」という観点では望ましいかもしれません。
以上のことを理解したうえで米の買い占めについて考えると、米がなくて困っている消費者に米が行き渡らないという視点(全体的な視点)でマイナスの影響が出るだけでなく、保存期間が長くなることで美味しく食べられないという視点(個人的な視点)においても、決して望ましいとはいえない状態になってしまうと考えることができます。
実際にSNSでも様々な反応があり…
- 「米も生鮮食品なんですよね。時間の経った米も食べられはしますが、粘り気はなくなり、パサパサになり美味しくなくなる」(Rさん)
- 「お得と思って一度に10キロ買うと、少しずつ美味しくなくなっていく」(Yさん)
- 「お米10kgが1週間で無くなるので毎週10kg買ってるんですが、買い占めは本当に勘弁してほしいです」(Kさん)
といったご感想がありました。
理性的な判断が求められている
一方で、家族の人数が多い世帯では、必要な最低限の量を確保するために、一度にまとまった量の米を購入する場合もあり、「買い占め」を意図していないのに、周りからそういった視線を投げかけられることもあると聞きます。
米の買い占めの話題は、生活に密着した非常にデリケートな問題であるように感じられます。だからこそ、価値観や置かれた環境、味の感じ方などが個々人で異なることを改めて認識したうえで、買う側も、それを見る側も、理性的な判断と行動を心がける必要があるのかもしれません。
今回の記事が、そういった判断をおこなう際に、ポジティブな情報として少しでもお役に立てば幸いです。そして、今直面している米不足問題が、一日でも早く解消されることを願います。
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