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「私 日本人でよかった」の真意は如何に  

にしゃんた社会学者・タレント・ダイバーシティスピーカー(多様性語り部)
(写真:アフロ)

JR(旅客鉄道株式会社)が京都を宣伝するために作成して張り出されているポスターの謳い文句に「日本に京都があってよかった」というものがある。気に入っているのか、人気があるのか理由は定かではないが、ずいぶん長い間、この文言を繰り返し使われている。

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そんな「日本にあってよかった京都」で見つけたのは「私 日本人でよかった」である。私も実際に張り出されているポスターを見た。その瞬間、あれって違和感を覚えたが、ちゃんとしたポスターである可能性もあり得ると心をなだめ、急ぎ足だったこともありその場を通り過ぎた。

その後、ここ数日前あたりから私が見たと同じ「私、日本人でよかった」のポスターがニュースとなっている。「あれっ」という自分の違和感は主観を越えた普遍的なものであったことに気づかされる。

ポスターは、全国の約8万の神社を束ねる神社本庁が作ったもので、2011年に6万枚を作り、必要と言う神社に無料で配布すると言う。つまり、京都でたまたま話題になっただけであって、全国的な現象であると言うことになる。

#日本人でよかった。ツイッター上でこの話題が炎上している。「このポスターがナショナリズムを煽っているのではないか」とツイッター上の指摘に関してBuzzFeed Japanが神社本庁に直接聞いた所「なんとも言えないですが、そう言うものを啓発するのが目的ではなく、製作目的は、祝日の国旗掲揚を啓発するためだ」と説明している。言われて確認してみると、確かにポスターの下の方に「私日本人でよかった」と書いたフォントサイズと比べ、かなり小さく日本国旗とともに「誇りを胸に日の丸を掲げよう」と書いてある。

ポスターを作った側の本意は「祝日に国旗掲揚の啓発」なら、このポスターを見てそのメッセージを受け止める人はどれほどいるのかいささか怪しい。第一「祝日に国旗掲揚しよう」とはこのポスターのどこにも書いていない。

真意は解らないなりにはっきり言えることがある。もしもポスターの目的は神社本庁が言っている通りの「祝日に国旗掲揚の啓発」なら、ポスターとしては出来が悪すぎる。もう一つは、ポスター作成の本意は「祝日の国旗掲揚の啓発」ではない、と言うことになる。

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社会学者・タレント・ダイバーシティスピーカー(多様性語り部)

羽衣国際大学 教授。博士(経済学)イギリス連邦の自治領セイロン生まれ。高校生の時に渡日、日本国籍を取得。スリランカ人、教授、タレント、随筆家、落語家、空手家、講演家、経営者、子育て父などの顔をもっており、多方面で活動中。「ミスターダイバーシティ」と言われることも。現在は主に、大学教授傍ら、メディア出演や講演活動を行う。テレビ•ラジオは情報番組のコメンテーターからバラエティまで幅広く、講演家として全国各地で「違いを楽しみ、力に変える」(多様性と包摂)をテーマとする ダイバーシティ スピーカー (多様性の語り部)として活躍。ボランティアで献血推進活動に積極的である。

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