2年の時を経て復活!京都「するがや祇園下里」さんの銘菓大つ丶は、職人さんの技術が光る大人の黒糖飴
ふんわりと淡い色合いにも関わらず、視線を奪っていく練り切りなどの上生菓子。透き通る色彩が儚げだったり、はたまた斬新な錦玉羹。古からの情緒を今に至るまで脈々と受け継がれている京都は、国内外問わず常に注目の的と言っても過言ではないかもしれませんね。いつの時代も、京都の特集番組や記事はついつい目で追ってしまう私。
さて、昨年2023年。とある祇園のお店が、約2年の休業期間を終え再始動致しました。1818年創業「するがや祇園下里」さんは江戸時代から暖簾を構え、登録有形文化財としても名高い同店舗にて営業を再開。待ち望んだファンの方々が行列をなすほど、開店当日は大繁盛だったのだとか。
大つ丶
数々の困難を乗り越え再び活気を取り戻したするがや祇園下里さんには、大ベテランの職人さん方が手掛ける伝統菓子が販売されています。その中のひとつ、「大つ丶」をご紹介。
対応をモチーフになさったという、一見不思議な形のお菓子。深い深い栗皮色の黒糖飴が、くるくると明るい生地にまかれています。飴を巻く…?こちらの黒糖飴も、棒状のものを切り分けていることが、端の丸みからも確認。
一般的な飴玉よりもやや大きめのものを口に放り込んでみると、甘く素朴な小麦煎餅が噛むたびにぱりぱりと心地よい音を立てて散っていきます。香ばしさよりもほっこりするような甘味ですね。一周だけではないので食べ応えもあります。
更にそこからじんわりと滲む黒糖の華やかでまろやかな風味。そしてほのかな生姜…と思いや!!気が付いたらいつの間にか口の中は鮮烈な生姜の刺激でいっぱいに!あれよあれよという間に味わいが変化していき、ピリリとスパイシーな生姜で口の中が満たされています!これはお子様には難しい…辛い物が苦手、という方にも厳しいかもしれません。
ですが、この爽快感とひりひりする感覚がまたたまりません、と私は思うのです。素材がシンプルなだけに、飴も生姜も雑味が無くすっきりとした個性が際立ちます。食べ終えた後、鼻から息を吸って口から吐き出した瞬間の爽やかな辛みは、大人の贅沢ですね。
黒糖と生姜ののど飴なんかは沢山販売されておりますが、一風変わったクラシカルな京都のお土産としても候補にいれてみてはいかがでしょうか。
<するがや祇園下里>
公式サイト(外部リンク)
京都府京都市東山区八坂新地末吉町79-80
075-561-1960
11時~18時
定休日 水曜