Yahoo!ニュース

巨人から派遣の木下幹也がチームの連敗を11でストップ! 先発での防御率は1.50【週刊くふうハヤテ】

菊田康彦フリーランスライター
巨人からくふうハヤテに派遣されている木下幹也(2024年8月2日筆者撮影)

 今シーズンからプロ野球(NPB)の二軍、ウエスタン・リーグに参加している新球団、くふうハヤテベンチャーズ静岡。先週は8月20日から22日までホームグラウンドのちゅ~るスタジアム清水(略称ちゅ~るスタ)で阪神タイガースと3連戦、23日から25日は同じくちゅ~るスタで広島東洋カープと3連戦を行った。

対阪神:20日〇7対0 21日△11対11 22日●3対9

 20日は後半戦に入って読売ジャイアンツから派遣された木下幹也(きのした・もとや)が先発。初回の1死一、三塁のピンチに四番・井上 広大、五番・シェルドン・ノイジーから立て続けに空振り三振を奪うと、3回裏に味方が三番・仲村来唯也(なかむら・らいや、九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズ)の適時二塁打などで3点を先制する。5回にも3点の援護をもらった木下は、7回まで107球を投げて被安打6、与四死球1、奪三振8、無失点の快投で、くふうハヤテ派遣後初勝利を挙げるとともにチームの連敗を11で止めた。

 続く21日の試合は5回表を終わって7点のビハインドという一方的な展開になるが、その裏に八番ジェリンソン・バスケス(カープアカデミー)の3点二塁打などで6点を返して1点差まで詰め寄る。再び5点差に広げられて迎えた8回裏、3点を返して2死二塁となったところでバスケスに適時二塁打が飛び出すと、代打で登場した倉本寿彦(日本新薬、元横浜DeNAベイスターズ)のタイムリーツーベースでついに同点。2度のビッグイニングで引き分けに持ち込んだ。

 22日も勢いそのままに初回から四番・西川僚祐(にしかわ・りょうすけ、千葉ロッテマリーンズ)の4号3ランで先制するが、先発のフランクリン・バングルプ(米独立リーグ、ロングアイランド・ダックス)が2回表につかまり逆転負け。7月2日から4日のオリックス・バファローズ戦(ちゅ~るスタ、3連勝)以来の連勝、7月30日から8月1日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦(ちゅ~るスタ)以来のカード勝ち越しとはならなかった。

対広島:23日●2対3 24日〇6×対5 25日●3対14

 広島との初戦は初回に先制を許すも、2回裏に八番・ 平湯皓基(ひらゆ・こうき、九州アジアリーグ・宮崎サンシャインズ)の適時打で追いつくと、3回には1死三塁から二番・瀬井裕紀(せい・ひろき、火の国)がスクイズを決めて勝ち越しに成功する。だが、8回表に4番手で登板した藤岡好明(火の国、元福岡ソフトバンクホークスほか)が2死から代打の松山竜平、韮澤雄也に連続タイムリーを浴びて逆転負けを喫した。

 続く24日の試合はまたも粘り強さを見せ、5点を追う7回裏に代打・倉本のタイムリー内野安打などで4点を返す。9回にはそのまま九番に入っていた倉本が瀬戸際の2死二塁からセンター前に弾き返して試合を振り出しに戻すと、最後は10回1死三塁から四番・西川の犠牲フライで7月3日のオリックス戦以来のサヨナラ勝ち。10回表に5番手で登板して無失点に抑えた奥田健誠(おくだ・けんせい、ベイサイドリーグ・YKSホワイトキングス)が、今季初勝利を手にした。

 ところが25日は投手陣が15安打、14失点と打ち込まれると、打線は7回裏に五番・西川の2点二塁打などで3点を返すのが精いっぱい。またも連勝およびカード勝ち越しを逃す結果となった。

木下はくふうハヤテ派遣後3度の先発、うち2試合で無失点

 20日の阪神戦で連敗ストップの立役者となった木下は、巨人から派遣されてこれが4試合目の登板。うち先発は3試合で、8月2日の中日ドラゴンズ戦(静岡県営愛鷹球場)で6回無失点、10日のオリックス戦(ちゅ~るスタ)も5回3失点と好投しながら勝ちは付かなかったが、この日は7回無失点でウエスタン・リーグ初勝利をつかんだ。

 22歳の木下は、横浜高校から育成ドラフト4位で巨人に入団して今年で4年目。前半戦の二軍戦(イースタン・リーグ)登板は2試合にとどまっていただけに、くふうハヤテへの派遣は支配下登録を目指す上で大きなチャンスといえる。ここまでは救援1試合を含む4試合の登板で1勝0敗、21回を投げて与四死球5、奪三振17、自責点4で防御率1.71。先発3試合に限れば防御率は1.50になる。本人いわく「小学校以来なので、何かその頃を思い出します」という縦じまのユニフォームで、シーズン終了までアピールを続ける。

 これでくふうハヤテは99試合を消化して24勝67敗8分け、勝率.264でウエスタン・リーグ6位。5位の広島との差は17ゲームに開いている。今週は今日、27日から29日までホームグラウンドのちゅ~るスタでイースタン・リーグの千葉ロッテマリーンズとファーム交流戦3連戦、30日から9月1日にかけてはナゴヤ球場で中日と3連戦を行う予定になっている。

(くふうハヤテの選手名後のカッコ内は読みがな、前所属。文中の今季成績等は8月26日現在)

関連リンク

主将・高橋駿に待望の1号も5試合で逆転負け。広島、オリックスに全敗で連敗は11に【週刊くふうハヤテ】

オリックスに3連敗。巨人から派遣の木下幹也は2度目の先発で5回3失点も白星逃す【週刊くふうハヤテ】

「福田秀平さんに捧げる」“苦労人”平間凛太郎の初先発勝利で5カードぶり勝ち越し!【週刊くふうハヤテ】

今季で現役引退のくふうハヤテ福田秀平、18年間のプロ野球人生を支えたソフトバンク時代の「原点」

今季ワーストの9連敗…。欧州代表で「ヤクルト村上斬り」のバングルプは来日初黒星【週刊くふうハヤテ】

フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

菊田康彦の最近の記事