縦振りと横振り、スイング軌道はどちらが良い?正しいバックスイングについて考える
アトップライトとフラット
縦振りのスイング軌道をアップライト、横振りのスイング軌道をフラットという。アップライトとフラットを比較した場合、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが良いか?という問いに対する回答をすることは難しい。
渋野日向子のスイング
8月4日から7日に開催された全英女子オープンでは、渋野日向子が最終日に最終組でプレーし、優勝争いに加わった。結果は惜しくも1打差の3位だったが、女子プロゴルフファンにメジャー2勝目を期待させるには十分の内容だった。
渋野のスイングは、バックスイングからダウンスイングにかけてとてもフラットになった。海外メディアが2019年の全英女子オープンで優勝した時のスイングと比べて「大きく変わった」と驚いたほどだ。
渋野の“超”がつくぐらいフラットになったスイング軌道は、活躍すればするほど、それが理想とされる風潮になることが予想されるが、一般ゴルファーは安易に取り入れようとするべきでない。
その理由は渋野の腕にある。渋野の腕は、腕をまっすぐに伸ばしているつもりでも肘が外に曲がってしまう猿腕。その体の特徴があるため、アドレスからバックスイングで肘幅を狭くしやすく、フラットなスイング軌道を作り出すことができる。
柔軟性や体感の強さがポイント
以前、「年齢(世代)によって理想のスイングは異なる」という記事を書いた。
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ジュニア、ヤング、ミドル、シニア。年齢によって理想のスイングが異なる理由(Yahoo!ニュース エキスパート)
この記事の内容と同じようなことが渋野のスイングにもいえる。渋野の体の柔軟性や体幹の強さは、世界の女子プロゴルフ界のトップレベル。渋野のスイングを取り入れる場合は、そのあたりを踏まえて慎重に判断をする必要があるだろう。
基本的には、バックスイングのスイング軌道については、アップライトであるべきかフラットであるべきか、よりも、クラブの慣性を活かしながらダウンスイングに入れるバックスイングであるかどうかが重要。フラットなスイング軌道の選手が活躍しているからといって、「フラットがベスト」と決めつけないようにしたい。
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