メッツが手に入れた「先発投手」は今オフ3人目。それでもローテーションは未完成!?
グリフィン・キャニングは、2017年のドラフトで、ロサンゼルス・エンジェルスから2巡目・全体47位指名を受け、2019年にメジャーデビューした。今年の夏が終わるまでは移籍と無縁だったが、10月末のトレードでホルヘ・ソレーアと交換にエンジェルスからアトランタ・ブレーブスへ移り、先月下旬にノンテンダーとされ、FAとなった。
どうやら、キャニングは、ニューヨーク・メッツに入団するようだ。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールらが、1年425万ドルの契約で合意、と報じている。契約には、100万ドルに達する出来高が設定されているという。
今オフ、メッツが手に入れた「先発投手」は、フランキー・モンタスとクレイ・ホームズに続き、キャニングが3人目となる。ホームズは、リリーバーから先発投手に転向する
ようだ(「3年連続20セーブ以上の救援投手を3年3800万ドルで迎え、先発投手に転向させる。そのリスクは…」)。
千賀滉大とデビッド・ピーターソン、モンタスとホームズの4人がローテーションに並んでも、あと1枠か2枠は空きがある。タイラー・メギルとポール・ブラックバーンとともに、キャニングもローテーション入りの候補になり得る。
ただ、キャニングは、これまでの大半が先発登板ながら、全休の2022年を挟む、2019~21年と2023~24年の5シーズンのうち、防御率が4.30を下回ったのは、56.1イニングで防御率3.99の2020年だけだ。ここ2シーズンは、2023年が127.0イニングで防御率4.32。2024年は初めて規定投球回に達し、171.2イニングを投げたものの、防御率は5.19だった。2024年に162イニング以上の58人中、キャニングより防御率の高い投手は、2人しかいなかった。
メッツは、キャニングに2023年の防御率(4.32)と2024年のイニング(171.2)を期待しているのかもしれないが、ロング・リリーバーとスポットの先発投手として起用できる、と考えている可能性もある。
いずれにせよ、ホアン・ソトを15年7億6500万ドルの契約で迎え入れたことからすると、メッツのローテーションは、まだ物足りない気がする。開幕までに加わる――少なくともメッツが入手しようとする――先発投手は、キャニングが最後ではないはずだ。