ドジャースに続き、ヤンキースも野手のMVPトリオを結成。ジャッジとスタントンにベリンジャーが加わる
昨オフ、ロサンゼルス・エンジェルスからFAとなった大谷翔平は、ロサンゼルス・ドジャースと10年7億ドルの契約を交わした。これにより、ドジャースには、MVPを受賞したことのある野手が3人揃った。大谷は、投打の二刀流だが、2024年に登板しないことは、入団の時点でほぼ確定していた。
ムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンは、それぞれ、ボストン・レッドソックス時代の2018年とアトランタ・ブレーブス時代の2020年にMVPとなっている。大谷は、エンジェルスで2021年と2023年に受賞。さらに、ドジャース1年目の2024年も、MVPに選ばれた。
ちなみに、投手を含めると、2024年のドジャースには、MVPの受賞者が4人いた。クレイトン・カーショウ(現FA)は、3度目のサイ・ヤング賞を受賞した2014年に、MVPも手にした。
来シーズンは、ドジャースだけでなく、ニューヨーク・ヤンキースのラインナップにもMVPが3人揃う。こちらは、ジャンカルロ・スタントンとアーロン・ジャッジに、数日前のトレードでシカゴ・カブスから移籍したコディ・ベリンジャーだ。
スタントンは、マイアミ・マーリンズ時代の2017年にMVPを受賞した。ジャッジのMVPは、2022年と2024年の2度。ベリンジャーは、ドジャース時代の2019年に選ばれている。
来シーズンのラインナップには、右打者の2人が左打者を挟む形で、2~4番あるいは3~5番に、ジャッジ、ベリンジャー、スタントンが並ぶと思われる。
2024年のホームランは3人合わせて103本、ジャッジが58本、スタントンが27本、ベリンジャーは18本だが、彼らのシーズン最多を足すと、168本となる。ジャッジが62本(2022年)、スタントンが59本(2017年)、ベリンジャーは47本(2019年)だ。
2015年の合計本数を168本と予想するのは無理がありそうだが、揃って健康を維持することができれば、2014年の103本を大きく上回ってもおかしくない。スタットキャストのパーク・ファクターによると、ここ3シーズンにおけるヤンキー・スタジアムの左打者――左打席に立ったスイッチ・ヒッターを含む――のホームランは119。これは、平均を100とした数値だ。カブスのホームであるリグリー・フィールドは90なので、かなりの差がある。
ただ、MVPの野手3人を擁しても、2024年のドジャースのように勝てるとは限らない。2023年のヤンキースは、ジャッジとスタントンにジョシュ・ドーナルソン――トロント・ブルージェイズ時代の2015年にMVP――を擁したが、82勝80敗の地区4位に終わった。ドーナルソンは、8月下旬にヤンキースから解雇され、ミルウォーキー・ブルワーズに入団し、ポストシーズンでもプレーした。ジャッジ、スタントン、ドーナルソンの3人は、2022年もチームメイトだったが、ジャッジが最初のMVPを手にしたのは、2022年のシーズン終了後だ。
なお、来シーズンのヤンキースは、MVPの受賞者が4人となる可能性もある。ベリンジャーがセンターを守る場合、一塁がベン・ライスとDJ・ラメイヒューでは少し心許ない。FA市場に出ている一塁手のうち、ポール・ゴールドシュミットは、セントルイス・カーディナルス時代の2022年にMVPを受賞している。