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【名古屋市東区】徳川美術館「香り袋・文香づくり」を体験。「よそおいの美学」感じて

サファーライター(名古屋市)

7月9日(日)、徳川美術館(名古屋市東区)では体験講座「香りをよそおう―オリジナル香り袋・文香づくり―」が行われました。現在開催中の特別展『よそおいの美学』の関連企画。徳川家の人々がこよなく愛した、めくるめく香りの世界へせまります!

会場の机には「白檀」などの香りの素材がずらり。耳慣れた名前のものと、ちょっとわからないものも。ゆったりと漂う香りに、会場はなんだか和やかムード。

講師をつとめるのは、大須にあるお香の老舗『春香堂』の小川薫さん。「湿気の多い時期が、一番香りがよくわかります。今の時期は(今回の企画に)ぴったり」とのこと。ムシムシした日にお出かけした甲斐がありました。やったー!

小川さんの親しみやすい解説
小川さんの親しみやすい解説

小川さんから世界での香りの表現や、机の上に並んだ香料についての説明を受けます。私たちの生活に根付く香りにまつわる身近な事例に「あの風習はそういう意味だったのか~」「へえ!!」の連続でした。物事に対する視点が増える感じが醍醐味ですね。

■好みの香りを作っていく

続いてお待ちかねの「香りづくり」。あらかじめ用意された「ベースの香り」に、さらに香料を追加して自分好みのアレンジを加えていきます。特徴や作りたいイメージからレシピを作り調合し、ついに香り袋と文香ができあがりました。

いいかおり~!!
いいかおり~!!

私は『藿香(かっこう)』を多めに。落ち着いた印象の香りに仕上がりました。

「自分だけの香り」が完成すると、周りの人からの感想を聞きたくなったり、周りの人が調合した香りが自然と気になってきます。会場では周りの参加者と袋を交換し、評しあう様子があちこちで見られました。

ひとりひとりが全く印象の違う香りに仕上がっていて、香りの世界の奥深さとともに、徳川家の人々もこんな風に香りを楽しんでいたのかしらと思いをはせる時間となりました。

香り袋は手入れをすることで5年、10年と使い続けられるそう。思いがけず、長期スパンの「わたしだけ」を入手することができました。本物を長く使うという選択肢すら危うい昨今によい体験になりました。

■なにが本当の香りなのかを知ること

講師の小川さんは「普段の生活から香りを意識してみてください。なにが本当の香りなのかを知ることが大切です」とおっしゃっていました。徳川家の人々が身につけた品々を紹介する特別展「よそおいの美学」は、今月17日(月・祝)まで。

その後、7月23日(日)からは夏季特別展「徳川家康―天下人への歩み―」がはじまります。大河ドラマ「どうする家康」に石川数正役で出演の松重豊さんによる、徳川美術館だけでしか聞けない音声ガイド(税込600円)も見どころです。

徳川美術館では記念講演会・体験講座・研究発表会・茶会など、さまざまな催しが開かれています。スケジュールは公式HPからチェックしてくださいね。

徳川美術館
・住所:名古屋市東区徳川町1017
・アクセス:JR中央線「大曽根駅」から徒歩10分
・開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
・休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は直後の平日)
・駐車場:無料駐車場17台
・入館料:一般1,600円、高大生800円、小中生500円
※毎週土曜日は小・中・高校生は入館料無料
徳川美術館公式ホームページ
徳川美術館公式インスタグラム
徳川美術館公式ツイッター

春香堂
・住所:名古屋市中区大須2丁目15-32
・アクセス:地下鉄鶴舞線「大須観音駅」徒歩5分、または地下鉄環状線「上前津駅」徒歩8分
・営業時間 :平日・土曜日 午前9時~午後6時/ 日曜日 午前10時~午後6時
・定休日 :年中無休(年末年始、臨時休業をのぞく)
春香堂公式ホームページ
春香堂公式インスタグラム

※掲載内容は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございます。

ライター(名古屋市)

名古屋在住。働き、暮らしながら「虫の目」で見つけた気になったもの、「素敵ね」と思ったことをゴキゲンに発信しています。「ワクワク」や「美味しい」、「へぇ~!」を大事に。ラジオが好きで、聞きながらあちこちへ行く毎日。白黒の猫と暮らしています。硯に向かいて20年、どうぞよろしくおねがいします。

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