【名古屋栄】「有松・鳴海絞」体験、柄が生まれる瞬間にわくわく
広重や国芳の浮世絵にもたびたび描かれた名古屋の絞り。名古屋城の築城に端を発する伝統工芸に触れてきました。
やってきたのは名古屋市栄のオアシス21iセンター。オアシス21の中にある観光案内所です。地下鉄・名鉄瀬戸線の栄駅と直結しているのでアクセスもばっちり。同センターでは、月曜日を中心に染め物を体験できるイベントが開かれています。
名古屋の月曜を楽しんでほしい
月曜定休の観光地が多い名古屋を訪れる観光客のため、また名古屋の伝統工芸を広く知ってもらいたいとの思いから5年ほど前から始まった染め物体験イベント。もちろん、観光客でなくても参加できますよ。
この日、行われていたのは「有松・鳴海絞」体験。鳴海絞を守り、伝える有限会社こんせい(名古屋市緑区)の近藤泰仁さんの手ほどきで行います。真っ白な手ぬぐいに「雪花絞り」で幾何学模様を染めていきますよ。(所要時間 約20分)
出るぞ…性格が!!
手ぬぐいを四つ折りの帯状にして、生地の端から三角形に折って重ねていきます。職員の方いわく「性格が出る作業」だとか。きっちり癖付けをすればくっきりとした柄に仕上がるんですって。私はご覧の通り左側が凸凹に。納得いくまでたたみなおしてもOKです。
続いて、布を透明な板に挟み、輪ゴムで固定しギュギュっと圧縮します。雪花絞りは板締絞りという別名を持っているのですが、なるほど、2枚の板で締め上げて染めていくから、そう呼ばれているんですね。実際の染めの現場ではどんな道具を使っているのかな、と興味がわきました。
いよいよ染めていきます。インディゴの液に生地の一部をゆっくりと浸します。素人目にも、布の角度や浸す深さが命運を左右すると理解できました。職人技はいつもこともなげに運びますね。
「さぞ青く染まるんでしょうね」と思っていると……
まさかの黄色。最初は黄色で、徐々にきれいな青に変化していくのだとか。みるみる色が変わっていきます。きれいで見入ってしまいました。水でゆすいで出来上がり。
単純な模様でも、布の折り方や圧のかけ方、浸し方で驚くほど個性が出て面白いです。思いもよらない柄が現れるのが楽しく、「次はこうしたい」と自然と創意工夫の気持ちが湧いてくる体験でした。リピーターが多いというのも納得!
講師の近藤泰仁さんは、「楽しい絞りの体験を通じて、絞りや染めをもっと知っていただき、有松・鳴海に足を運んでほしい。糸を抜いた時や板を外した時に想像を超える柄があらわれるのが魅力」とおっしゃっていました。板を外す瞬間は本っ当にワクワクしますよ。飽きが来ない柄なので、日常にも使いやすい手ぬぐいでした。
名古屋の伝統工芸に会いに、気軽にお出かけしてみてはいかがでしょう。詳細はオアシス21iセンター公式サイトからご確認ください。
なお、例年6月には有松旧東海道一円で『有松絞りまつり』も開催されています。充実の参加型プログラムをお楽しみに!
オアシス21iセンター
オアシス21iセンターでは市内観光の各種パンフレットの配布や、観光に便利な乗車券類・名古屋グッズ、美術館・博物館などの入場券の販売を行っています。手荷物の一時預かりや配送サービスもありますよ。