【名古屋中区】月に1度の写経会、大須の天寧寺へ
逃げる2月とはよくいったもので、来たボールをひたすら打ち返すような年度末を迎えています。気ばかりが急いている日常に一石を投じるべく、写経会におじゃましました。
三宝大荒神 天寧寺
友人に教えてもらって、お邪魔したのは名古屋市中区の「三宝大荒神 天寧寺」。上前津駅から徒歩5分、曹洞宗の禅寺です。表にはまるっとしたフォルムの素朴な鶏がずらり。守土鶏というんですって。
「写経会」
「写経会」と紙がはり出された扉をからりと開けると、ふわりとお線香の香り。
机の上には写経セットがスタンバイ。てっきり鉛筆で書くのかと思っていたら、まさかの筆(とおもったら筆ペンでした)。筆を最後に使ったのはいつぞやの結婚式の受付だったか、、、大丈夫でしょうか。やや心配です。
写経会は90分のプログラムで、はじめの20分は講話と椅子座禅。畳での座禅は子どもの頃に行った経験があるのですが、椅子座禅は今回がはじめて。椅子に浅く座り、骨盤をたてて、背筋をのばします。姿勢と呼吸を整えると、心が整うのだとか。
座禅中は考え事をしないようにつとめるのですが、これがなかなか難しい。日頃から時間を埋めるように情報を摂取する癖がついているからかもしれません。椅子座禅は畳での座禅に比べると目線の置き場所がちょっと難しいように思いました。でも足の痛みやしびれもなく、場所も時間も選ばないので気軽にできていいですね。
いざ写経
いよいよ写経です。お手本の上から紙を重ねてなぞることもできるので、初心者でも安心の仕様です。書き始めて1時間が経過したところで、『納経法要』(写経したものを収めるための法要)を行い解散しました。
写経をはじめる前は、「20分くらいで書き終わっちゃうのでは?」と思いましたが、一文字一文字に墨を置いていくと、きっちり1時間かかっていました。終わった後には心地よい疲労感と達成感につつまれました。
天寧寺の大野副住職は「お寺は敷居が高いと思われることがあるので、お檀家さん以外の方にもお寺に足を運んでもらいたい。仏教に触れる機会を提供できたら」という思いから、いまから2年ほど前に写経会をはじめられたのだそう。
静かな環境で写経に集中した1時間。タスクに追われてついつい体を置き去りにしがちであったり、時間を問わずさまざまな情報にさらされる日常において、心と体の歯車を整えるひとときのように思いました。