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「HSPは、疲れやすく自己肯定感が低い」という噂は本当なのか?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日のテーマは、「『HSPは、疲れやすく自己肯定感が低い』という噂は本当なのか?」です。← HSPとは、ハイリー、センシティブ、パーソンの略で、敏感な人という意味です。


ズバリ、HSPは、自己肯定感が低いことが多いです。
疲れやすく、ダメダメな自分と対峙することが多く、周りからも「ダメな奴」「面倒臭い奴」「神経質な奴」と称され、けなされることが多いからです。

私(竹内成彦)は、HSPなのですが、子どもの頃から非常に疲れやすかったです。楽しいはずの遊園地に行っても、音や光や人混みで、直ぐに疲れてしまい、ベンチに座り込んでしまうことが多かったからです。

この記事をご覧のあなたは、遊園地のベンチに、ひとり疲れて座り込んでいる子どもを見たことがあるでしょうか? 恐らく、そんなに数多くは、見たことがない筈です。そう、私はそういう、珍しい、疲れやすい子どもだったのです。
私は父親から、「せっかく連れて来てやったのに、何だお前は?」と言われる度に落ち込みました。私は母親から、「成彦は、子どもらしくないねえ。可愛げがないねえ」と言われる度に落ち込みました。私は兄から、「せっかく、お父さん・お母さんに連れて来てもらっているのに、もっと楽しそうな顔しろよ」と言われる度に落ち込みました。

私は、疲れやすい自分を克服すべく、小学校の終わりごろからは、「自分がすぐにくたびれてしまうのは、自分に体力がないからだ」と思い、公園を何周も走って、基礎体力をつけようとしたことがありました。
でも、やっぱりダメです。私は遊園地やデパートのオモチャ売り場に行ったりすると、楽しい筈なのに、やっぱりすぐに疲れてしまうのです。それもその筈。私がすぐに疲れてしまうのは、歩き過ぎなどの筋肉疲労ではなく、音や光や人混みの刺激などによって、もたらされてしまうものだったからです。

多くの大人たちから、「だからお前はダメなんだ」という言葉をもらい、私は大人になっていきました。よって私は、今も自己肯定感が低いです。自己肯定感が低いのは、カウンセラーとして褒められたことではないので、カウンセラーの諸先輩方の力を借りて、賢明に努力し、今はようやく、人並み程度にはなりました。けれど、今も自己肯定感がやや低いカウンセラーという部分は、否めない…のではないかと思います。

ここであなたに、自己肯定感を上げる方法ご紹介したいと思います。

1.まずは、HSPである自分を受け入れましょう。
「自分は、HSPなんだ、他の人とは違うんだ」と理解しましょう。
「自分がHSPであることは、決して自慢することではないけれど、ことさらに卑下することでもないんだ」と、しっかり自分に言い聞かせましょう。
そして、直ぐに疲れてしまう自分と、なかなか疲れない他人を比べて落ち込むのはやめましょう。そう、自分の特性をしっかり理解していくことが肝心なのです。

2.HSPである自分をいたわりましょう。
HSPは、音や光や臭いでダメージを受けやすいわけですから、自分を労わるべく、早め早めに休憩するようにしましょう。
休憩のコツは、ひとり静かまぶしくない、です。
あと、身体にいい物を食べ、身体に良くない物は避け、夜は心地いい布団もしくはベッドで、しっかりと眠るようにしましょう。食事と睡眠は、とっても重要です。どうぞおろそかにしないようにしてくださいね。それと、いつも耳栓は、持ち歩きましょうね。

3.HSPの特性を活かしましょう。
HSPは、何かと生きづらいものです。よって、HSPは、自分という人間の不便さを受けいれ、自分の個性を活かす形で生きていくよう心掛けましょう。
実際、私は、自分の共感能力の高さを生かして、カウンセラーという仕事をやっています。HSPは、元気いっぱい、バリバリたくさんの仕事をこなす人にはなれないかもしれませんが、ひとつひとつ丁寧な仕事は出来る筈です。

4.過去、自分を傷つけた人のことを許してあげましょう。
自己肯定感の低い人は、必ずと言っていいほど、心の奥底に怒りを抱えているものです。そんな怒りや恨みや憎しみの気持ちを手放すよう努めていきましょう。
あなたがHSPであるために、あなたを傷つけた人は、必ずしも、あなたに悪意があったわけではありません。ただ単に、無知なだけだったのです。
よって、心を穏やかにして、傷つけた相手を気持ち良く許してあげましょう。
あなたが悪感情を持っている限り、あなたの自己肯定感があがることはありません。どうぞそのことは覚えておいてください。
自分を傷つけた人のことを許すのは、他人のためだけではなく、自分自身のためなのです。

最後に、私は、HSPのカウンセラーですが、
HSPを治す薬は、今のところ開発されておりません。
でも、食事睡眠、そして運動で、過敏はかなり改善されます。

私は、日々、有酸素運動と無酸素運動をするよう心掛けているのですが、運動習慣を持っているのといないのとでは、感じる刺激の量が全然違います。この記事をご覧の皆さんには、「運動は、HSPを助けるよ」ということは、どうぞ覚えておいて欲しいなあと思います。そう、私(竹内成彦)は、身体を動かすことは、特に好きなわけでもないのですが、いつも身体を動かすよう努めているのです。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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