竹内結子さん死去:自死の連鎖を防ぐために
<自殺報道は次の自殺を誘発する。自死は感染症のように広がる。自死の連鎖を止めなくてはならない>
■竹内結子さん「自殺の可能性」報道
竹内結子さん死去 40歳 ドラマ「ストロベリーナイト」、朝ドラ「あすか」 映画、舞台でも活躍9/27(日) 8:30スポニチY!
「自殺の可能性」という報道。ご本人が亡くなっていらっしゃるので、何が起きたのか、本当のことはわかりません。ただ、こんなにすてきな女優さんの突然の訃報は、とても残念であり、多くの方々が強いショックを受けていることでしょう。
芸能界での立て続けの自殺報道は、関係者のみなさん、ファンのみなさん、そして日本中の私たちにとって、とても辛いことです。
竹内結子さん、三浦春馬さん。同じ映画作品、「コンフィデンスマン」での共演ぶりが、目の前に蘇り、大好きな映画だからこそ、心に痛みが走ります。
<自死、遺された人々のために:三浦春馬さん報道と心の傷と癒し>
竹内さんの様々な作品での魅力的な演技が、次々と目に浮かび、私も辛くなっていきます。
■自殺の連鎖を防ぐために
個々人の真実はわかりません。しかし、大きく報道されるような衝撃的な自殺報道が次の自殺を誘発しやすいのは、自殺予防研究上の事実です。
自死は、何もしなければ、感染症のように広がっていきます。そして感染症のように、私たちの努力で拡大を食い止めることもできます。
今最も危険なのは、身近な人と、似ている人です。個人的に近くにいる方、感情的に近くにいる方、同じ俳優業の方、家族友人知人。母親の皆さん、年齢の近い方、竹内さんにシンパシーを感じる方々。
特に、今回の報道前から不安定になっている部分がある方は、要注意です。今回の報道で強いショックを受けている方も、要注意です。
自死の連鎖を防ぐためには、報道の仕方が大切です。センセーショナルな報道は、控えなくてはなりません。自殺の方法などを詳細に報道することも危険です。安易な自殺動機の推測、単純な表現も危険です。
たとえば、「いじめ自殺」「リストラ自殺」などと安易に表現してしまうと、同じようにいじめや解雇で苦しんでいる方々の自死の可能性を高めます。
報道のあり方に加えて、身近な人々の配慮が大切です。今回の報道に心震えている方が身近にいれば、一緒にお話をしましょう。
死にたい、消えたい、遠くに行きたい、やめたいなどは、自殺のサインです。自殺のサインなどとわからない時も、あれ?と感じた時には、ぜひ一声かけましょう。
いえ、一声かけ、もう一声かけましょう。「大丈夫?」と声をかけたとき、「大丈夫」と返してくる人は、大丈夫ではないことが多いのです。
自殺予防のためにどんな話をしたら良いのか。難しいことを考える必要はありません。ただおしゃべりをしましょう。
相手が悩み苦しみを話してきたら、説教や説得よりも、話を聞きましょう。笑ってごまかさず、逃げもせず、正論に走らず、話を聞きましょう。そして、「あなたのことが心配だ」と伝えましょう。
時間がなくて話が聞けない時は、「明日、続きを聞くから」など、約束をしましょう。
自殺は、見るからに弱っている人だけでなく、最も自殺しそうにない人にも起こります。
竹内結子さんの死を悼みつつ、次の悲劇を防ぐ工夫と努力が、芸能界にも私たちの身近にも、今求められています。
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