32本塁打の遊撃手を迎え入れた球団は、34本塁打の一塁手にも興味!?
ここ数ヵ月の間に、サンフランシスコ・ジャイアンツは、2人の内野手と大型契約を交わした。まず、9月初旬に、三塁手のマット・チャップマンと6年1億5100万ドル(2025~30年)の延長契約(「昨オフに3年5400万ドルで入団の選手が6年1億5100万ドルの延長契約を得る。評価が急上昇!?」)。続いて、今月初旬には、遊撃手のウィリー・アダメスを7年1億8200万ドル(2025~31年)の契約で迎え入れた。
チャップマンは、ここ4シーズンに3度、27本塁打を記録している。2021年にオークランド・アスレティックスで27本塁打、2022年にトロント・ブルージェイズで27本塁打、2024年にジャイアンツで27本塁打だ。アスレティックス時代の2019年には、36本のホームランを打っている。
アダメスは、ここ3シーズンに30本塁打以上が2度。2022年と2024年に、ブルワーズで31本塁打と32本塁打だ。
さらに、ジャイアンツの内野には、チャップマンとアダメスを上回るスラッガーが加わるかもしれない。サンフランシスコ・クロニクルのスーザン・スラッサーによる、「なぜジャイアンツはコービン・バーンズを逃したのか、そしてバスター・ポージーの次の動きは」と題した記事の最後には、「ジャイアンツは一塁手あるいはDHの市場にもとどまっていて、オールスター4度のピート・アロンゾ、メッツで6シーズンに226本塁打、をレーダーに捉えている」とある。
先発投手のコービン・バーンズは、ジャイアンツと同じナ・リーグ西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスと6年2億1000万ドル(2025~30年)の契約を交わした。バスター・ポージーは、ジャイアンツの編成責任者だ(「ジャイアンツの編成責任者の交代は予兆があった!? 球団一筋ワールドシリーズ優勝3度の名捕手が就任」)。
一塁手のピート・アロンゾは、ここ3シーズンに120本のホームランを打っている。2022年が40本塁打、2023年が46本塁打、2024年は34本塁打だ。ニューヨーク・メッツからFAになり、来シーズン以降の球団は、まだ決まっていない。年齢は30歳だ。今月初旬に誕生日を迎えた。
FA市場に出て、新たな契約を手にした一塁手は少なくなく、一塁手のトレードも起きている。アロンゾを必要とする球団は、減りつつある。メッツは、再契約の扉を閉ざしてはいないものの、メッツが払う気のある金額とアロンゾが求めている金額には、大きな隔たりがあるようだ。
◆「ここ3年に120本塁打のFAが売れ残り!? ヤンキースが手を出さなかった理由は…」
ホームランが出にくいオラクル・パークをホームとしているとはいえ、2024年にジャイアンツでプレーした選手が一塁出場時とDH出場時に打ったホームランは、14本と20本、両リーグ・ワースト5位タイの計34本に過ぎなかった。
今のところ、来シーズンの一塁手とDHは、ラモンテ・ウェイドJr.とウィルマー・フローレスが筆頭候補だろう。ウェイドJr.は、2024年に117試合で出塁率.380ながら、ホームランは8本。フローレスは、71試合で4本塁打だった。それぞれのシーズン最多は、18本塁打(2021年)と23本塁打(2023年)だ。
もっとも、アロンゾに対し、ジャイアンツがどれくらいの興味を抱いているのかは、わからない。
2023年のドラフトで全体16位に指名したブライス・エルドリッジは、2024年にマイナーリーグで一塁手とDHとしてプレーし、A(51試合)とA+(48試合)とAA(9試合)とAAA(8試合)の計116試合で打率.292と出塁率.374、23本塁打、OPS.890を記録した。
エルドリッジがメジャーリーグで台頭するまでの一塁手を求めているのであれば、アロンゾは適していない気がする。アロンゾが1~2年の契約を受け入れるなら、話は別だが、望んでいるのは長期契約だろう。