チック症の特徴3選【無意識に体が動く 声が出る】保育士ママがイラストでわかりやすく解説
こんにちは。発達と育児の支援サポーター『夢 カナエ』です。
わたしは、保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。
チック症とは、本人が意識しないのに体が動いたり、声が出たりする状態をいいます。神経発達症群の一つとされています。
主に発症する年齢は平均4〜6歳ですが、あらゆる年齢で現れます。
チック症の原因については研究途上であり、特定されていません。
チックの症状は不安や興奮、強い疲労などで悪化し、落ち着いて集中しているときは改善することから、環境やストレスも要因として考えられています。
チック症には上記の表のように、『運動チック』と『音声チック』があり、さらに『単純性』と『複雑性』に分類されます。
複雑性のほうが持続時間がより長く、いくつかの動きや発声の組み合わせを含んでいます。
1.運動チック
目的のないように見える不随意運動が、素早く不規則に繰り返される現象を運動チックと言います。
まばたき・びくつき・首を振る・白目をむくなどが例にあげられます。
まばたきは、多少頻繁に行っても周囲の人にはあまり気になりませんが、顔や肩などの動きは目立ちやすいといえます。
手が動いてしまうチックでは、字を書いたり物を持つことが困難になる場合もあります。
2.音声チック
本人が意図しない音や言葉が、突然発せられる現象を音声チックと言います。
咳払いや鼻すすり、舌を鳴らしたり、「あっ」「うっ」などの単音を発してしまうことがあります。
音声チックの中でも、咳払いや鼻すすりなどは、誰もが日常的に行う動きであり、周りの人もあまり気にしませんが、「あー」などの甲高い奇声は周囲の注目を集めやすいといえます。
3.複雑性チック
複雑性運動チックには、飛び跳ねる、体を叩くなどの動きがあります。
複雑性音声チックには、
汚言(卑猥な単語や罵倒語などを言ってしまう)
反響言語(他人の言った言葉などを繰り返す)
反復言語(音声や単語を繰り返す)
などがあります。
複雑性チックは単純性チックに比べて持続時間が長く、動きも複雑です。
また、人の言葉を繰り返すなど、周囲の環境に反応して起こることもあります。
まとめ
チック症の症状は、決して本人が意識的に行っているものではありません。また親の育て方によって起こるものでもありません。
チックの症状は、自分の意思で一時的に止めることができても、また無意識に症状が出てしまいます。
他者が無理やりおさえつけたり、叱って止めようとしても、反動で後から強く症状が出たり、違う形のチックが出てしまうこともあります。
家族や地域の中でのチック症への理解と対応が、チックの症状に影響を与えるとも考えられています。