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JR北海道の「キハ40」、2025年3月改正で定期運行終了へ 1日1本だけ札幌駅からも運行

鉄道乗蔵鉄道ライター

 JR北海道のローカル線の主力車両として長年活躍してきたキハ40形気動車が2025年3月のダイヤ改正で定期運行を退く。キハ40形気動車は国鉄時代の1977年に登場し、片運転型の派生形式キハ47形・キハ48形とともに計888両が製造され、日本全国各地に投入された。寒冷地仕様の北海道形については1982年までに150両が製造され、北海道内各地で活躍し「ヨンマル」の愛称で親しまれてきた。

 現在、JR北海道管内でキハ40形は、石北本線や釧網本線の一部、根室本線の滝川―東鹿越間、函館本線函館―長万部間などで活躍しているが、今後は、新型のH100形気動車への置き換えが進む。定期運行は終了するものの、観光列車仕様として内装を改造し車体にラッピングを施した「山明(さんめい)」「紫水(しすい)」については車両を残し、観光列車などとして活用していくという。

 北海道のキハ40形気動車の引退までカウントダウンが始まることとなったが、乗り納めにおススメの列車がある。それは、札幌駅を5時54分に発車する旭川行の普通列車だ。この列車は、キハ40形2両編成での運転されており、現在では札幌駅から乗車することのできる唯一のキハ40形の普通列車だ。苗穂運転所から旭川方面への車両の送り込みも兼ねており、日によっては3両目以降に苗穂工場を出場したキハ54形やキハ150形が連結されていることもあるが、この場合、3両目以降は締め切り扱いとなる。

 札幌駅から旭川駅までの所要時間はちょうど3時間。5時54分に札幌を発車した列車は各駅に停車し旭川には8時54分に到着する。また、JR北海道のキハ40形はほとんどが運転士のみ乗務のワンマン列車として運行されているが、この列車では滝川駅まで車掌が乗務することも大きな特徴だ。札幌―旭川間は特急列車を利用すれば1時間半程度での移動が可能であるが、懐かしの国鉄型のボックス席に身をゆだね流れゆく石狩平野の車窓風景を眺めながらの3時間の旅は、1日1回しか体験する機会がない。

 早朝の出発とはなるが、札幌駅から唯一、乗車することのできるキハ40形の普通列車。この機会に乗り納めをされてみてはいかがだろうか。

青色の座席モケットにも国鉄時代の懐かしさを感じる(筆者撮影)
青色の座席モケットにも国鉄時代の懐かしさを感じる(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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