大気が非常に不安定 西日本上空に真冬並みの寒気
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00120359/top_image.jpeg?exp=10800)
大気不安定
平成30年度最後の日は、日本列島は西高東低の冬型の気圧配置となっています。
上空約5500メートルには氷点下36度という寒気が日本海西部に南下し、西日本から東日本へゆっくり移動中です(図1)。
![図1 日本上空約5500メートルの気温(4月1日夜)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00120359/image01.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
タイトル画像の天気図にあるように、日本の東海上にある前線を伴った低気圧の西側、日本海にある前線を伴っていない小さな低気圧は、上空に非常に冷たい空気が流入しているサインです。
日本海にある小さな低気圧は、気象衛星から見ると、はっきりした渦を巻いています。まるで、ミニ台風です(図2)。
![図2 気象衛星から見た日本海西部の渦(3月31日6時50分)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00120359/image03.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
日本上空に流入している寒気、上空約5500メートルで氷点下36度という寒気の温度は、真冬であれば大雪の目安の気温です。
3月は暖かい日が続き、長崎で3月20日、東京・横浜・福岡で3月21日にさくらが開花し、東京では3月27日に満開となるなど、地表付近が暖まっていたところでの上空寒気です。
北海道を除き、平野部では雪ではなく雨が降りますが、大気は非常に不安定となり、広い範囲で雷雨となる恐れがあります(図3)。
![図3 発雷確率(3月31日9時~12時)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00120359/image02.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
落雷や突風など、局地的ですが、激しい現象に注意が必要です。
関東南部の花見は、「雨の可能性のある土曜日か寒い日曜日」という難しい選択でしたが、「寒いか雷雨の可能性がある日曜日」になりそうです。
花見など、行楽に出かける方は、気象情報に注意し、暖かくしてお出かけください。
「雷三日」ということわざがあります。
日本上空に寒気が入っているときは、その寒気の動きが遅いことが多く、雷雨が3日間位続くという意味です。
今回の上空寒気も、動きはゆっくりですので、週明けも広い範囲で大気が不安定ですので、落雷や突風などに注意が必要です(図4)。
![図4 発雷確率(4月1日15時~18時)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00120359/image04.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
寒い新年度
気象庁が発表した1か月予報では、4月の第1週は全国的に気温が低くなります(図5)。
そして、第2週になると、北日本は低い気温が続きますが、西日本は並みかやや高い気温という予報です(図5)。
![図5 4月前半の平均気温の予想(1ヶ月予報による)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00120359/image05.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
図6は、週間天気予報などを利用し、東京の3月1日以降の最高気温と最低気温の推移をみたものです。
![図6 東京の最高気温と最低気温(3月31日~4月6日は気象庁、7~9日はウェザーマップの予報)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00120359/image06.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
最高気温、最低気温とも、平年値より高い日が続いていた3月ですが、3月末以降は予報も含めて、平年値より低い日が多くなっています。
気温が低い状態は、満開となったさくらが散るのを遅らせます。
すでに桜が満開となった東京ですが、なんとか、4月最初の週末まで、さくらの見ごろが続くのではないかと期待しています。
タイトル画像の出典:気象庁ホームページ。
図1、図2、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図5の出典:気象庁ホームページ。
図6の出典:気象庁資料、ウェザーマップ資料をもとに著者作成。