花見は雨が降りやすい土曜か寒い日曜か
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00119984/top_image.jpeg?exp=10800)
さくらの開花ラッシュ
さくらは、一般的には気温が高くなると開花が早まります。
ただ、一旦、寒さを経験したさくらは、経験していないさくらに比べて、暖かくなってきてから開花までのスピードが速くなります。
休眠打破と呼ばれる現象です。
もともと暖かい鹿児島などが、さくら開花の一番乗り(沖縄・奄美地方を除く)にならないのは、休眠打破による加速がないためです。
今年、平成31年(2019年)は、2月後半から3月中ごろの気温がかなり高くなったことから平年より早い開花となったところが多くありました。
しかし、暖冬により、休眠打破は鈍く、花芽の成長の加速がなかったために、極端に早かった去年よりは遅くなりました。
平成31年(2019年)のさくら開花の一番乗りは、3月20日の長崎でした。
次いで、3月21日に福岡、東京、横浜が、22日に宮崎、広島、松山、高知、名古屋、岐阜が開花しました(図1)。
![図1 さくら開花前線(ウェザーマップ3月28日発表)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00119984/image02.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
その後も、東日本の太平洋側から西日本ではさくらの開花ラッシュとなりました。
そして、東京では3月27日に満開となりました。全国で最初の満開です(沖縄・奄美地方を除く)。
さくらの満開
一般的には、開花から7~10日で満開といわれています。
西日本では、さくらの開花後に、西日本を中心に寒気が南下してきたため、開花から満開までの期間が長くなったところが多くなりました。
さくら開花の一番乗りであった長崎は、満開が開花14日後の4月3日と予想されています。
関東南部から東海地方では、週末の30日(土)、31日(日)にはお花見を楽しめるところが多くなる見込みです(表)。
![表 さくら開花が早い地方の満開日予想・週末の天気予報(数値は最高気温)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00119984/image01.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ただ、その他のさくらが開花している地方では、寒の戻りの影響や、暖冬によって休眠打破による開花加速が起きなかった影響で、さくらの見頃は来週半ば以降となるところが多くなりそうです。
とはいえ、5分咲きでも休日の関係から今週末はお花見というかたも多いかと思います。
花見の懸念
今週末は東日本の太平洋側から西日本にかけて、花見のピークになりそうですが、日本上空に寒気が南下して大気が不安定の見込みです。
日本の上空約5500メートルには氷点下30度以下の寒気が流入し、しばらく続く見込みです(図2)。
![図2 上空約5500メートルの気温(3月30日朝)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00119984/image03.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
この氷点下30度という気温は、真冬であれば、平地でも雪となる目安の気温です。
地上付近の気温が上昇していますので、北海道を除いて雪にはなりませんが、その分だけ大気が不安定となります。
つまり、積乱雲が発達し、急な雷雨などに注意が必要な天気となります。
また、移動性高気圧に覆われ、晴れて風が弱くなることから放射冷却がおき、夜間から明け方にかけては気温が大きく下がります(図3)。
![図3 予想天気図(3月30日9時の予想)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/nyomurayo/00119984/image04.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
週末の花見は、大気が不安定で雨が降りやすい土曜にするか、それとも、気温が大きく下がって寒くなる日曜日にするかなど、最新の気象情報を入手し、暖かい服装でおでかけください。
図1、図2の出典:ウェザーマップ提供。
図3の出典:気象庁ホームページ
表の出典:ウェザーマップ資料を元に著者作成。