創業昭和38年。言わずと知れた伝統の名店。創業時の味を継承しつつ新たな息を吹き込んだ総本店の一杯。
博多だるま 総本店
創業昭和38年という歴史を誇り、博多ラーメンの一大ブランドでもある「博多だるま」。現在は博多から関東、そして海外にも多くの店舗を展開する、言わずと知れた名店。その総本店の味はぜひ味わいたい一杯。渡辺通から路地を入った一角にあるお店は、現社長である二代目の秀さんが2000年に開業したお店。
創業は吉塚だそう、そして箱崎へ。そして双璧のブランド「秀ちゃんラーメン」を1993年に立ち上げた後、この総本店へ。箱崎だるまのイメージが強い博多の人も多いようですが、「吉塚がスタートなんだよ」と河原社長(秀さん)から聞いたことがあります。
吉塚には〈天ぷらのだるま〉や〈麻雀のだるま〉などなど、〈だるま〉という名のお店も多々あったようですが全く関係ないのだそう。「だるまといえば博多ラーメン」、現在は押しも押されもせぬ、世界へ羽ばたく博多ラーメンの代表格です。
(※〈天ぷらのだるま〉は現在も人気営業中で、「ちはやふる」で有名な漫画家〈末次由紀さん〉の実家だそうです)
お店を入れば食券機、そして左側にカウンター、右側にはテーブル席があります。開店時から多くのお客さんが訪れる人気店。木造の佇まいですが綺麗で清潔感があります。福岡ではこの総本店の他に、博多駅のめん街道や福岡空港のラーメン滑走路、秀ちゃんラーメンはキャナルシティのラーメンスタジアムにも出店しているという、主要スポットばかりです。各店舗、味を変えているというこだわり、その中でも原点の味わいを感じられるのが総本店ではないでしょうか。
メニューはラーメンに餃子にチャーハン、さらには唐揚げや炙りチャーシューで、一杯飲むこともできます。
月見ラーメン
豚骨臭が漂う濃厚なスープの真ん中に綺麗に浮かぶ卵黄。まさにお月見のようなビジュアルです。今でこそ博多ラーメンでも主流となってきた卵黄トッピング。しかし、いち早くメニューにしていたのは「だるま」ではないでしょうか。
並々に注がれたスープにはネギとチャーシューもトッピングされています。横から見てもこの鮮やかさ。泡と骨分も漂う仕上がりで、やはりインパクトがあります。この一枚がボリュームあるチャーシューも美味い。
細めのストレート麺は自家製。厳選された小麦を使った、スープとのバランスを考え尽くしたオリジナル。小麦の風味も良く、スルスルっといただけます。
ワンタンメン
博多ラーメンの醍醐味といえばワンタンメン。ラーメンが美味しいお店のワンタンメンは美味い、と個人的には思ってます。表面的にワンタンは見えませんが、熱々並々のスープに浸っています。
ワンタンはあるの?て思ってしまいますが、それだけスープの量が多い。これは絶対替玉間違いなしです。
ワンタン発見!というか、スープの中にはたっぷりのワンタンです。大きめの皮に包まれた熱々でトゥルンとした食感。そこに餡の旨味が絡んでくる。スープの味わいとも絡んで絶品です。
そしてこのスープです。鉄の羽釜で長時間しっかりと炊き上げた、呼び戻し製法で仕上げた濃厚かつ繊細。豚骨の風味と香りを感じながら、奥深い味わい。カエシも一から作り上げたという醤油を使ったオリジナル。濃厚といいつつもスッキリしていて、飲み心地よくついつい飲み干してしまいます。
全てが絡み合い絶妙な豚骨の味わいを楽しめる。このシンプルさが創業時からの「だるま」の伝統の味を継承しつつ、さらに濃厚さのインパクトを加えた、現代の新たな息が吹き込まれた一杯。昔ながらの味わいと斬新な味わいがミックスされた、世界へ羽ばたくラーメンです。
この暖簾をくぐれば、総本店の一杯が味わえます。それぞれのお店で、それぞれの味わいが楽しめるこだわりも「だるま」の魅力。ただ、原点の味が味わえるのはこの総本店ではないでしょうか。ルーツを残しつつも、新たな風を吹きこんだ一杯は、何度食べても飽きがこない一杯です。
名実ともに博多ラーメンの代表格。原点を大切にしながらも、今も進化を続けています。伝統の味わいは、ただ歴史を継承するだけでなく、新たな世界を切り拓いています。
博多だるま 総本店
住所:福岡県福岡市中央区渡辺通1丁目8−25
営業時間:11時30分~0時30分
定休日:無休
駐車場:近隣有料
公式HP:ra-hide.com