今年のドラフトで指名された異色の2人。「身長7フィート」と「両投げの投手」
今年のドラフトで、ボルティモア・オリオールズは、13巡目・全体377位にジャレッド・ベックを指名した。セント・レオ大の左投手だ。
メジャーデビューすれば、その時点で、ベックは球史を塗り替える。ジョン・ラウシュとショーン・ジェリー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)に代わって、史上最も背の高いメジャーリーガーとなる。ラウシュとジェリーの身長は6フィート11インチ(約210.8cm)、ベックの身長は7フィート(約213.4cm)だ。今年5月にデビューしたジェリー(と高身長の選手たち)については、「「史上最も背の高い選手」に並ぶ選手が、メジャーデビューする。その身長はランディ・ジョンソンより高く…」で書いた。
一方、ミルウォーキー・ブルワーズが18巡目・全体552位に指名した、ジュランジェロ・セインジャの身長は、5フィート11インチ(約180.3cm)だ。
もっとも、高校生投手のセインジャが異彩を放つのは、身長ではない。セインジャより背の低いメジャーリーガーはいるし、今年のドラフトでも、5フィート11インチ未満の選手が何人も指名されている。
セインジャは、右でも左でも投げるスイッチ・ピッチャーだ。こちらは、メジャーデビューしても史上初にはならない。最近では、2015~16年と2018~20年に、パット・ベンディティーが通算61試合に登板している。ただ、セインジャは、プロとして打席に立つことはないかもしれないが、スイッチ・ヒッターでもある。両打ち両投げの選手が過去にいたかどうかは不明ながら、ベンディティーは左打者だった。メジャーリーグでは、1度だけ打席に立ち、三振を喫した。
なお、セインジャのプロ入りは、数年後になりそうだ。奨学金を得てミシシッピ州立大へ進むことが決まっていて、ドラフトで指名された直後には、進路を変更するつもりがないことをツイートで示唆している。