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ソトを迎え入れることができれば、レッドソックスは吉田をトレードで放出するのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホアン・ソト Jul 27, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボストン・レッドソックスは、FAのホアン・ソトと契約を交わそうとしている球団の一つだ。MassLive.comのショーン・マカダムらによると、レッドソックスのフロントとアレックス・コーラ監督は、11月14日に、ソトと代理人のスコット・ボラスと3時間にわたる会談を行ったという。

 ソトは、左打者だ。レッドソックスには、左打者が多い。ソトと同じ外野手のジャレン・デュランウィリアー・アブレイユに、一塁手のトリスタン・カーサスと三塁手のラファエル・デバース、DHの吉田正尚、二塁のレギュラー候補であるデビッド・ハミルトンがそうだ。

 そこに、ソトが加わると、野手9人中7人が左打者となる。あとの2人は右打者、遊撃手のトレバー・ストーリーと捕手のコナー・ウォンだ。外野トリオを、ソト、デュラン、アブレイユではなく、ソトとデュランと右打者のセイダーン・ラファエラとしても、ラインナップの3分の2を左打者が占める。

 ソトを迎え入れることができた場合は、左打者の誰かをトレードで放出する可能性が高まりそうだ。

 吉田は、来シーズンが5年9000万ドル(2023~27年)の契約3年目だ。吉田以外の左打者5人は、少なくとも2028年が終わるまで、FAにはならない。また、吉田を放出し、ソトをDHに据えれば、外野の守備が低下することもない。デュラン、アブレイユ、ラファエラの3人とも、守備に関してはソトを凌ぐ。

 もっとも、吉田の契約は、年俸1800万ドル×3年=5400万ドルが残っている。トレードを成立させるのは、容易ではない。レッドソックスが手放そうとしても、欲しがる球団があるかどうかもわからない。ここ2シーズンに計1000打席以上の115人中、吉田の出塁率.343は40位、OPS.775は49位、ISO.148は92位、16.60打数/本塁打は99位だ。吉田のパワーは、DHとしてはもちろん、センター以外を守る外野手としても、物足りない。

 なお、長打率ではなく、ISOを用いる理由はこうだ。例えば、すべてシングル・ヒットで10打数10安打なら、「塁打÷打数」の長打率は、長打が0本にもかかわらず、10塁打÷10打数=1.000となる。それに対し、「長打率-打率」のISOは、長打率1.000-打率1.000=.000だ。

 ソトが入団した場合、放出があり得るのは、吉田よりも、デュランかアブレイユかもしれない。特に、デュランを含むパッケージなら、その見返りとして、ローテーションの前半に並ぶ先発投手を手に入れることができるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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