Yahoo!ニュース

日銀の政策変更サプライズは日本経済を破滅させるか/外貨両替をするタイミングは?

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)
(写真:ロイター/アフロ)

こんにちは。シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。

日銀が金融緩和策の一部修正を決定し、マーケットを驚かせました。長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」から「プラスマイナス0.5%程度」に変更しました。同時に日銀は国債買い入れ額を従来の月間7.3兆円から9兆円程度に増やしました

金融緩和を拡大させながら、実質的な利上げという日銀の矛盾した政策に違和感を感じます。

このサプライズを受けて、日経平均株価は大幅に下落をし、銀行株は上昇しました。金利上昇はお金を貸して利ざやを得るビジネスモデルの金融機関にとってはプラスになるからです。

東証REIT指数はニュースを受けて下落し、前日比5.31%の下落。借り入れコストの上昇はREITの収益を圧迫するからです。レバレッジをかけたREITや不動産投資は厳しくなるのかもしれません。

また、円相場は日米金利差の縮小から1ドル133円台前半と4円以上値上がりし、21日に関しては131円台をつけました。

国債先物中心限月3月限は前営業日比1円72銭安の146円14銭と大幅続落

。新発10年国債利回り(長期金利)は同15.5bp上昇の0.405%。一時0.460%と2015年7月以来の高水準を付けました。

日銀 金融緩和策の一部修正決定 円相場急激値上がり 株価下落

〔マーケットアイ〕金利:日銀の指し値オペ結果、5年債は1兆0189億円が応札・落札

今回、金融関係者も予測していなかった全くのサプライズで日銀の行動はマーケットを混乱させました。ようやく経済がよくなる兆しが見え、賃金が上昇すればという状況の矢先にこの判断は合理的な決断ではなく、政治的な要素が働いたことが予測されます。

写真:山田勉/アフロ

元参議院議員で経済評論家の藤巻健史は、国債を大量に保有している日銀の評価損が大きくなっており、これ以上金利を上げたらそれがさらに膨らみ、債務超過になってしまう可能性があると指摘しています。

日銀の緩和見直しは追い詰められての決断? 藤巻健史氏「円は“紙くず前夜”」

日銀の国債保有額は約535兆で発行残高約1066兆に対して約50%になります。債券利回りの上昇は価格の低下を招き、債券を保有している日銀に損失が出るのです。

この記事は有料です。
アジア富裕層から学ぶお金が貯まる習慣のバックナンバーをお申し込みください。

アジア富裕層から学ぶお金が貯まる習慣のバックナンバー 2022年12月

税込660(記事2本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経て、スイスのファミリーオフィスでウェルスマネジメントに従事。日本人の海外移住や資産運用、海外富裕層の日本移住のサポートも。著書に『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏の翻訳書を多数出版、『ホンマでっか⁈TV』等TV出演多数 お仕事の依頼は fp@yokohanawa.com へお願いします。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 花輪陽子のnote https://note.com/yokohanawa 

花輪陽子の最近の記事