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「香港に自由を!」香港100万人デモから5年、新宿の目抜き通りで民主化デモ行進

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
2019年の香港100万人デモから5年。新宿で香港民主化デモが開催(筆者撮影)

2019年6月の100万人を超える香港市民が参加したデモから5周年となった2024年6月9日、東京・新宿で香港民主化デモが行われた。在日香港人ら約100人が大勢の人が行き交う新宿の目抜き通りを1時間余りにわたってデモ行進した。

2019年デモの民主テーマ曲で、香港の裁判所が歌唱や演奏などを全面的に禁じた「香港に栄光あれ」(広東語: 願榮光歸香港)を流しながら「香港に自由を!」「One Nation, One Hong Kong(1つの国家、1つの香港)」とシュプレヒコールを上げて行進した。中国や香港の当局に身元を特定されるのを恐れ、多くの参加者がシンボルカラーともなっている黒いサングラスと黄色いマスクで顔を覆った。

デモは、香港の民主化を目指す「香港民主女神(Lady Liberty HK)」と「Stand with HK@JPN」の2つの団体の共催。

「香港民主女神」代表の李伊東(アリック・リー)さん(36)はデモ行進後に筆者の取材に応じ、「中国と香港政府を相手に戦うために日本人と香港人が一緒に集まることは本当に意味があること。2019年の香港デモから5年が経ち、多くの人が戦いをあきらめた。しかし、日本にいる私たちには自由を追求する権利、集会の自由があり、香港が香港であり続けるために戦う義務がある。私たちは自由と民主主義を獲得する日が来るまで戦い続ける」と述べた。

「香港民主女神」理事の潘嘉偉(パトリック・プーン)さん(47)は「私の友人や元同僚の多くは、デモや選挙に参加したり、ネット上で意見を述べたりしたとの理由だけで今も刑務所にいる。国家安全上の罪を問われたのだ。国際社会には、香港政府と中国政府が香港で人権を弾圧していることをもはや容認できないとの姿勢を明確に示してほしい。国際社会が香港政府と中国政府に対し、香港人の訴追をやめるよう要求して欲しい」と述べた。

そして、今回の新宿でのデモ行進に対する歩道の一般の人々の反応については、「多くの人々が写真を撮るなどして、支援の姿勢を見せてくれた。しかし、一部の中国人は友好的ではなく悪い態度を見せた。それでも、私たちは活動をやめない。それは私たちの表現の自由であり、集会の自由だ。私たちは香港の自由のため、日本で戦い続ける」と述べた。

今後の予定として、香港民主女神は6月17日に香港民主主義サミットを国立キャンパスで開催、香港や台湾など世界中からの活動家を東京に招待するという。また、6月20日には香港亡命者ら約30人が世界中から来日し、東京・永田町の衆議院議員会館で記者会見を開催するという。

2019年6月9日に100万人を超える香港市民が参加したデモは、刑事事件の容疑者の身柄を中国本土に引き渡すことが可能になる逃亡犯条例改正案への反対運動が大規模化したものだった。

2024年6月9日の5周年デモで主催者が配ったビラ。過去5年間の香港での主な出来事が説明されている(筆者撮影)
2024年6月9日の5周年デモで主催者が配ったビラ。過去5年間の香港での主な出来事が説明されている(筆者撮影)

米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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