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ノート(204) 犯人隠避事件における弁護側の反対尋問の内容

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~尋問編(10)

受刑195/384日目

弁護側の反対尋問が始まる

 この日は元特捜部長らに対する裁判で弁護側の反対尋問が予定されていたため、朝食後、大阪拘置所の出廷準備室で金属探知機による検査などを受けたあと、手錠と腰縄を付けられ、ワゴン車で大阪地裁に向かった。

 服装はドブネズミ色の舎房着ではなく、20日前の主尋問のときと同じく黒色のジャージ上下だった。拘置所が用意してくれたものだが、受刑者から願い出たという形にする必要があるとのことで、数日前に職員に指示され、その旨の願箋を提出しておいた。

 裁判所ではいつものとおりいったん地下の仮監で待機し、午前10時の開廷に合わせ、裏廊下に通じたエレベーターで2階のフロアまで上がり、奥の扉から大法廷に入った。社会の関心が薄れつつあるからか、傍聴席はビッシリというほどでもなく、前方に座る記者の姿のほうが目立っていた。

 主尋問の前に行なった宣誓の効力が維持されていることから、ここで改めて宣誓をすることはなく、護送を担当する拘置所の職員に手錠と腰縄を外され、裁判長に促されて証言台に座ると、さっそく弁護側の反対尋問が始まった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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