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ヤンキースのホーム最終戦で客席がガラガラだった3つの理由

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Sep 25, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月25日、ニューヨーク・ヤンキースは、今シーズン最後のホーム・ゲームを終えた。

 この日の観客は、4万1096人と発表されている。もっとも、これは、売れたチケットの枚数だ。上の写真や下のXからわかるように、実際に観戦した人数はかなり少なかった。ヤンキー・スタジアムの客席は、ガラガラと形容してもいい状態だった。

 前日の黒星により、ヤンキースが今年のポストシーズンに進出する可能性は、完全になくなった。それについては、こちらで書いた。

「ヤンキースはアストロズにもマリナーズにも追いつく可能性があるが、ポストシーズン進出は完全消滅」

 また、9月25日の試合は、当初から予定されていたわけではない。9月23日の試合が、雨天順延となったものだ。

 さらに、もう一つ。9月23日は、アーロン・ジャッジの#62ボブルヘッド人形が先着1万8000人に配られることになっていた。こちらの配布は、9月25日ではなく、来年の4月20日に「順延」された。

 7年ぶりにポストシーズンへ進めなかったヤンキースに失望しただけでなく、他の予定とかち合ってしまった人や、ボブルヘッド人形を目当てにしていた人もいると思われる。

 ボブルヘッド人形の配布が来シーズンになった理由が、誰の意向によるのか――ヤンキースなのか、スポンサーのTikTokなのか、それとも両者なのか――はわからないが、ジャッジは、来シーズンもヤンキースでプレーする。昨オフ、ヤンキースからFAになったジャッジは、ヤンキースと9年3億6000万ドルの再契約を交わした。

 ちなみに、このボブルヘッド人形は、8月20日に配布されたロジャー・マリスの#61ボブルヘッド人形とセットになっている。台座の凹凸を合わせると、スウィングを終えた2人、左打者のマリスと右打者のジャッジが向かい合う。

 マリスは、1961年にヤンキースで61本のホームランを打った。昨シーズン、ジャッジは、それを1本上回った。ボブルヘッド人形が着ているユニフォームは、マリスがホーム用、ジャッジはアウェー用だ。これは、マリスの61本目がホーム・ゲーム、ジャッジの62本目はアウェー・ゲームだったからだろう。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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