藤浪晋太郎を昇格させて故障者リストに入れたのはなぜ!?
5月13日、ニューヨーク・メッツは、藤浪晋太郎をAAAから昇格させ、15日間の故障者リストに入れた。右肩を痛めているという。
今シーズン、藤浪は、開幕からAAAで投げ、9登板の7.2イニングで9奪三振と17与四球、15失点(自責点12)を記録している。奪三振率と与四球率は10.57と19.96、防御率は14.09だ。5月3日を最後に、マウンドには上がっていない。
昇格に値するとは思えない成績と内容は別にしても、昇格させても、故障者リストに入れたのでは、試合で投げさせることはできない。一見すると、奇妙な動きだ。
今回の昇格と故障者リスト入りは、ロースターの枠が理由だと思われる。
メジャーリーグの試合に出場できるのは、アクティブ・ロースターに入っている26人だ。メジャーリーグの40人ロースターに登録されている選手のうち、26人がアクティブ・ロースターに名を連ねる。
藤浪は、昇格前から、40人ロースターに入っている。昇格と同時に、故障者リストに入ったので、26人のアクティブ・ロースターには加わっていない。
ここから、メッツは、藤浪を60日間の故障者リストへ移す、あるいはそうできるように準備したのだろう。15日間の故障者リストに入っている選手は、26人のアクティブ・ロースターには数えられないが、40人のメジャーリーグ・ロースターには数えられる。一方、60日間の故障者リストに入ると、26人のアクティブ・ロースターだけでなく、40人ロースターの人数にもカウントされない。
藤浪を60日間の故障者リストへ移せば、40人ロースターに入っていない選手をメジャーリーグへ昇格させる際、藤浪が占めていた枠に入れることができるので、代わりに誰かを40人ロースターから外さなくてもいい。空ける必要があるのは、26人のアクティブ・ロースターの枠だけだ。