1イニングを3球で終わらせる。さらに少ない球数はあり得る!?
5月14日、アーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)は、ニューヨーク・メッツを相手に投げ、完封を記録した。
被安打は4本、与四球と与死球はなかった。延べ30人に計109球なので、100球未満で完封の「マダックス」ではないものの、7回裏は、3球でイニングを終わらせた。
7回裏に、メッツの3人、スターリング・マーテイ、フランシスコ・リンドーア、ピート・アロンゾは、いずれも初球を打った。ライトへのシングル・ヒット、二塁ライナー、三塁ゴロ(併殺打)で3アウトだ。
スポーツラジオ94WIPは、この1イニング3球について、かかった時間は85秒、メジャーリーグ史上202度目、と報じている。
基本的には、これよりも少ない球数でイニング(ハーフ)が終わることはない。ただ、延長に入ってからは、2球でイニング終了の可能性も――まだ起きていないはずだが――なくはない。
例えば、イニングの先頭打者が初球を打ち上げて外野手に捕球され、イニングが始まった時点から二塁にいたオートマティック・ランナーがタッチ・アップを試みて三塁で刺され、続いて2人目の打者も初球を打ってアウト、といったケースだ。他にも、二塁走者が牽制死、1人目と2人目の打者は初球打ちでアウト、などもあり得る。順序は、必ずしもこのとおりでなくてもいい。
申告敬遠があれば、延長でなくても、3球未満で3アウトはあり得る。
なお、3月29日にメジャーデビューしたクレイトン・ビーター(ニューヨーク・ヤンキース)は、7対1とリードした9回裏のマウンドに上がり――イニングの頭から登板――3球でイニング(と試合)を終わらせた。
その翌日、ビーターは、AAAに降格した。その後は、昇格していない。
ノラは、今シーズンがメジャーリーグ10年目だ。昨オフ、フィリーズと7年1億7200万ドル(2024~30年)の延長契約を交わした。今シーズンは、9登板で58.0イニングを投げ、防御率3.10を記録している。