「米国の嘘」を鵜呑みにする愚鈍な頭と「米国の嘘」で国民をだます悪辣な頭
フーテン老人世直し録(173)
長月某日
来週の成立が取りざたされる安保法案は国会でいまだに意味不明の審議を続けているが、政府・与党の議論を聞いていると、日本政府は「米国の嘘」を鵜呑みにする愚鈍な頭脳しかないか、あるいは「米国の嘘」を利用して国民をだまそうとする悪辣な頭を持っているか、そのどちらかと考えられる。
フーテンの言う「米国の嘘」とは、1991年の湾岸戦争に日本が拠出した130億ドルは国際社会から全く評価されず、人的貢献がなければ世界から感謝されないと主張する「嘘」である。
当時フーテンはワシントンに事務所を構え、米国議会の議論を日本に配信する仕事をしていた。駐米大使は村田良平氏であった。当時の日米関係は経済摩擦が激しく、ソ連の軍事的脅威より日本の経済的脅威の方が米国にとって深刻で、米国民は日本政府や日本企業を敵と見ていた。
米国民の誤解を解くため、村田大使はフーテンが提携する米国の政治専門テレビ局C-SPANに出演して直接米国民と対話を行い、日本の真意を訴えていた。
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