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4年契約を得た左投手がカーショウ以来の快投。2登板続けて無失点、与四球ゼロ、打たれた長打もなし

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリストファー・サンチェス(フィラデルフィア・フィリーズ)Jun 28,2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月28日、クリストファー・サンチェス(フィラデルフィア・フィリーズ)は、キャリア初の完投を完封で飾った。9イニングを投げて9三振を奪い、打たれたヒットはシングルが3本。与四球と与死球はなかった。

 この日、フィリーズでは、ブライス・ハーパーカイル・シュワーバーが、揃って故障者リストに入った。フィリーズの97本塁打中37本は、彼らが打っている。その割合は38.4%だ。6月28日に挙げたフィリーズの得点は、ブライソン・スタールの内野ゴロと犠牲フライによる、計2点にとどまった。

 サンチェスは、その前の6月23日も、得点を許していない。7イニングを投げ、出塁させたのは3人。こちらも、シングル・ヒットが3本だった。

 オプタ・スタッツによると、ここ40年に、連続する2登板で計16イニング以上を投げ、失点、与四球、被長打のいずれもゼロの左投手は、2015年7月18日と25日のクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)と、ここ2登板のサンチェスしかいないという。右投手は何人かいる、ということだと思われるが、快投であることに変わりはない。

 サンチェスは、6月22日に、来シーズンから始まる4年間の延長契約を交わした。それについては、こちらで書いた。

「フィリーズが先発投手と長期契約は昨オフから数えて3人目。彼らに続いて防御率1点台のスアレスも!?」

 6月28日を終え、ナ・リーグの防御率ベスト3には、フィリーズの投手が並んだ。レンジャー・スアレスが防御率1.83、サンチェスが防御率2.41、ザック・ウィーラーは防御率2.73だ。前日までトップにいた、防御率1.70のレイナルド・ロペス(アトランタ・ブレーブス)は、チームの試合数×1.0イニング未満となり、ランキングから姿を消した。

 なお、フィリーズで試合数×1.0イニング以上のあと1人、アーロン・ノラは、防御率3.39を記録している。6月28日時点の順位は、リーグ16位だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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