【福岡市】劇団 風の子九州40周年記念公演、空想珠を取り戻せ!「このゆび と〜まれ」
お散歩ライターの石井つかさです。
先日、通し稽古を取材させてもらった風の子九州 40年記念公演の『このゆび と〜まれ』を観てきました。公演場所は福岡市中央区天神のど真ん中、ソラリアステージという商業ビルの6Fにある西鉄ホールです。
あらすじ
物語は、空想が得意なヒロが最近様子のおかしい友人まもるを「空想の世界」に誘うところから始まる。まもるは、現実世界でのプレッシャーや母親の期待に押しつぶされそうになっていたが、ヒロとの冒険を通して次第に自分自身を取り戻していく。
冒険の中で、二人は「空想珠」という魔法のアイテムを探し出し、それを通して子どもたちが忘れかけていた自由な遊びや想像力を取り戻そうと奮闘する。空想の世界では、海賊ごっこや魔法の生物との出会いが待っており、そこでの経験を通してまもるは、現実世界でも自分の気持ちを母親に正直に伝える勇気を持つようになる。
最終的に、まもるは自分の考えや感情をしっかりと表現できるようになり、母親との関係も改善される。物語のクライマックスでは、まもるとヒロが友情を再確認し、共に冒険を続けていく未来が描かれる。
「このゆび と〜まれ」のテーマとメッセージ
- 空想と現実のバランス: 現代の子どもたちが感じるプレッシャーや「きつさ」を、空想や遊びの力で乗り越えることの大切さ。
- 親子の絆: 子どもが親の期待に応えるだけでなく、自分自身の気持ちを大切にすることの重要性が描かれています。
- 友情と成長: 冒険を通して友人との絆を深め、お互いを支え合うことで成長していく姿が描かれています。
見所
- コメディとシリアスのバランス: 笑える場面と感動的な場面のバランスがよく、子どもから大人まで楽しめる内容になっています。
- 視覚的な演出: 空想の世界を表現するために、海賊ごっこや冒険のシーンが鮮やかに描かれています。円形のセットを回転させながらシーンが変わっていくのが特徴的です。ヒロとまもるが海賊になり空想珠を探す場面では、通常のシーンとは別の照明や舞台セットが活用されています。
- メッセージ性: 子どもたちに「遊ぶ力」や「自由な想像力」を取り戻してほしいというメッセージが、随所に盛り込まれていて見応え抜群です。
前回観劇させていただいた「なるほ堂ものがたり」とは、テイストが違いますが自分の子どもの頃はどうだったのか、また大人になった自分は一方的に子どもに「大人の正しい」を押し付けていないかなど考えさせられる内容の演劇になっていました。
風の子九州さんは一般公演はあまりやっていないのですが、また一般公演をしてもらえるなら、ぜひ観劇させていただきたいですね。