【福岡市早良区】『子どものいるとこ どこへでも』子供向け劇団 風の子九州
お散歩ライターの石井つかさです。
今日は早良区西新に本拠地を置く、子ども向け劇団 風の子九州をご紹介します。
劇団 風の子九州は1950年に子どもたちのために創立された「劇団 風の子」から1985年に独立してできた劇団です。「子どものいるとこ どこへでも」という言葉を掲げて活動していた「劇団 風の子」の想いを受け継いで創立されました。
創立から40年、現在は九州のみならず、海外へも活動の範囲を広げ、小学校、幼稚園、保育園を中心に年間に600回程度、公演を行っています。
劇団代表へのインタビュー
風の子九州の代表である、おやまさんと、前代表の仮屋さんにお話を伺いました。
安定した収入で劇団員を支える
劇団風の子九州に所属する劇団員は月給制になっています。一般的な劇団は、演劇を行ったときだけ報酬が出る仕組みが多いのですが、当劇団では練習や舞台装置の制作、打合せをしている時も収入が発生します。これにより、劇団員の生活が安定し、少しでも多くの子どもたちに演劇を届けることができるのです。
劇団運営の課題:変化する社会状況への対応
劇団を運営する上での最大の悩みは「変化していく社会の状況への対応」だそうです。近年、子どもを取り巻く環境は大きく変化しており、少子化の影響で学校の統廃合が進んでいることや、学習カリキュラムの影響で情操教育にかかる時間が削られるなど、劇団運営に直接的な影響を及ぼしています。その中で、どのようにして子どもたちに演劇を届けていくかが課題となっています。
劇団員の日常
劇団員の方は、通える範囲で公演がある場合は、西新の事務所や別にある稽古場を拠点にして公演を行なっています。劇団員の方々は公演をするだけではなく練習はもちろん、大道具や小道具などの舞台装置の製作から新しい演劇の作成など、劇団を運営するために様々な活動をしています。
子ども向け公演の意義
子ども向け公演の意義は、子どもたちの成長と発達に大きな影響を与える文化活動にあります。舞台の物語や音楽、役者の熱演は、感受性と想像力を豊かにします。また、公演を通じて、生きる喜びや希望を学び、さまざまな感情に触れることで人生の豊かさを学んでいきます。
善悪や友情、家族愛などのテーマをモチーフとした演劇をすることで、道徳観や倫理観を育て、共感力や思いやりの心も養います。参加型の演劇では、自己表現やコミュニケーション能力を高める良い機会となります。子ども向け公演は、健やかな成長と豊かな人間性を育むために欠かせない存在です。
劇団の収入源
劇団の収入源は、公演活動、特に学校公演が中心です。劇団は幼稚園、保育園、小学校など、子どもたちが生活する場所での公演を重視しており、生の舞台でしか味わえない感動を届けることに重きを置いているため、収入は限定的になっています。
収入を得るためのDVD販売や動画配信、クラウドファンディングも検討されていますが、費用対効果や労力の観点から、まだ実現には至っていません。公演活動にかかる費用としては、会場費、照明費、人件費などが挙げられます。
劇団の今後の展望
今後は、もっと公演の機会を増やし、より多くの人々に生の舞台を届けたいと考えています。「1年に1回は子どもに演劇を見てもらえる環境を作りたい」という願いを持ちながら、特に学校公演以外の機会を増やすために、一般公演やホール公演を増やしていきたいと考えています。しかし、そのためには認知度の向上と資金調達が課題となっています。
具体的な方法については検討段階なのですが、メディアへの露出やSNSなどを活用し認知度を向上させてニーズを増やしていくといったようなことも検討されています。また資金調達に関しても従来の方法だけでなく、クラウドファンディングを積極的に活用する方法も模索しています。
これらの取り組みを通じて、劇団風の子九州は、子どもたちの心を育む質の高い舞台を、より多くの人に届け、地域社会に貢献していくことを目指しています。