Google検索は飲食店予約を支配するのか?
Googleが新機能をリリース
2016年8月8日に、Google検索の結果画面から、飲食店の予約ができるようになりました。ただ、予約できるようになったとは言っても、検索結果画面で予約を完了できるようになったのではなく、予約できるページへと移動できるようになっただけです。
この新機能はどういったもので、どういった影響を及ぼしていくのでしょうか。
飲食店をすぐに予約できる
公式ブログには以下のように紹介されています。
予約画面
実際にいくつかの有名レストランを検索して結果を見てみましょう。有名なレストランをいくつか検索すると、すぐに全てのパターンを確認することができました。
オープンテーブル
一休
ホットペッパー グルメ
食べログ
なし
仕様の比較
それぞれ「席を予約する」をクリックした時に、どういった画面へと移るのでしょうか。特に重要な要素となる「日」「時間」「人数」「プラン」について整理します。
- オープンテーブル
日:その日が選択されている
時間:現在以降の時間が選択されている
人数:2人が選択されている
プラン:席だけを予約する
- ホットペッパー グルメ
日:選択されていない。月のカレンダーが表示されている
時間:選択されていない
人数:選択されていない
プラン:コースを予約する
- 一休
日:選択されていない
時間:選択されていない
人数:選択されていない
プラン:席だけを予約する
- 食べログ
日:選択されていない。月のカレンダーが表示されている
時間:選択されていない
人数:2人が選択されている
プラン:席だけを予約する
比較してみると、それぞれで全く異なっています。競合ではあるものの、会社としてはお互いに関係ないので、仕様が統一されていないのは仕方ないことでしょう。しかし、ユーザー体験としては統一されていた方が望ましいです。
また、「席を予約する」と書かれてあるものの、ホットペッパー グルメではコースも決めなければならず、これだけ他とは違っています。
熾烈を増す飲食店予約
オープンテーブル、一休、ホットペッパー グルメ、食べログに加えて、トレタやぐるなびなど、飲食店の予約サービス(各社で機能に差があるので、あえて「台帳」とは述べていません)は熾烈な競争を繰り広げています。
「トレタペイメントはノーショーとドタキャンを撲滅できるのか?」でもご紹介したように、飲食店向け予約/顧客台帳サービスの大手である株式会社トレタが、ノーショーとドタキャンを防ぐ有効な方法として、デポジット機能を新しくリリースしましたが、これは他よりも一歩先んじるための大きな付加価値です。
また、「「LINE グルメ予約」が全てを食べ尽くす」でも紹介したようにLINEも飲食店予約を開始しており、さらには、食べログと争いを繰り広げている「食べログ「グルメ著名人」はRettyを超えるのか、食べログをダメにするのか」でも触れたRettyと提携するなど、飲食店予約を巡る争いは厳しさを増すばかりです。
こういった厳しい環境の中で、オープンテーブル、一休、ホットペッパー グルメ、食べログがGoogle検索と提携して新しいユーザーの流入チャネルを手に入れたのは有利なことでしょう。
飲食店予約へのGoogle八分
これから先は今よりもっとインターネットの世界が広がっていくことは明白なので、飲食店の予約も電話よりもインターネットからの予約が中心になっていきます。インターネットにおける飲食店の予約で、ユーザーに最も近いポジションを確保できたならば、それは飲食店の命運を握ったといって過言ではありません。何故ならば、ユーザーにとって、そこから飲食店を予約することが当然となれば、そこに飲食店が掲載されていなければ予約が存在していないに等しくなるからです。
かつて、Google検索の結果に掲載されないWebサイトは「Google八分」と言われ、インターネットに存在していないも同然と言われましたが、今度は飲食店予約に関しても、「Google検索の結果から予約できないから、予約されない」となるのでしょうか。
インターネットの大きな巨人であるGoogleが飲食店予約に手を伸ばしたことで、その力学に何か変化が起こるような気がしています。
元記事
レストラン図鑑に元の記事があるので、ご参考にしてください。