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納税手続のデジタル化は、記帳水準の向上と適正な納税申告の確保から

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
政府税制調査会は納税環境整備に関する専門家会合にて納税手続の電子化の議論を開始(写真:西村尚己/アフロ)

政府税制調査会は、10月7日に今年度第1回となる納税環境整備に関する専門家会合を開催した。10月16日には第2回、21日には第3回、11月10日には第4回と、会合を重ねて議論を進めている。

納税環境整備に関する専門家会合にて、議題となっているのは納税手続の電子化である。行政のデジタル化を進める菅内閣で、納税手続の電子化を今後どのような進めるのだろうか。

そもそも、納税手続の電子化は、既に国税ではe-Tax、地方税ではeLTAXが導入されており、一定程度進んでいる。だから、新たにデジタル化を進めるインフラ整備が必要というわけではない。

ただ、e-TaxもeLTAXも、さらなる普及・活用を図るには、乗り越えなければならない「壁」がある。今の体制や取組みのままでも、近いうちに利用率が100%近くに達するというほど簡単ではない。

それは、行政側というより民間側にある。

日常の生活や経営で、デジタル化する必要性を感じない家計や企業に、行政としてデジタル化をどう促すかである。というのも、

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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