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半導体・AI分野へ、2030年度までに10兆円以上の公的支援。それをどう実現するか

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
政府は、AI・半導体分野への公的支援のフレームを決めた(提供:イメージマート)

11月29日に、石破茂内閣は、2024年度補正予算政府案を閣議決定した。12月上旬に国会に提出する予定となっている。

2024年度補正予算政府案の1つの目玉となっているのが、約1兆6000億円(特別会計分を含む)を計上した半導体やAI分野への支援である。

これは、11月22日に閣議決定した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」の中に盛り込まれた「AI・半導体産業基盤強化フレーム」に基づくものである。「AI・半導体産業基盤強化フレーム」も閣議決定された中に含まれている。

「AI・半導体産業基盤強化フレーム」は、以下のような内容となっている。政府は、AI・半導体分野へ、2030 年度までに全体として10 兆円以上の公的支援を必要な財源を確保しながら行う、としている。2024年度補正予算は、その端緒といえよう。

では、10兆円以上の公的支援を、どのようにするのか。「AI・半導体産業基盤強化フレーム」には、

(1)次世代半導体研究開発やパワー半導体量産投資等への補助及び委託等として6兆円程度(補助及び委託等)

(2)次世代半導体量産投資やAI利活用に向けた計算基盤整備等への出資や債務保証等として4兆円以上(金融支援)

出典:「AI・半導体産業基盤強化フレーム」

と記されている。

このうち、(1)は、補助金や委託費だから、国の会計から財源を拠出しなければならない。それをまたぞろ借金で工面して拠出するのだろうか。石破首相は、11月11日の記者会見で、支援の原資について「赤字国債は発行しない」と述べたという。

「半導体・AI支援10兆円 経済対策、ラピダス念頭」(日本経済新聞)

では、2030年度までに10兆円以上の公的支援のための財源を、赤字国債ではない形で、どのように工面するのだろうか。「AI・半導体産業基盤強化フレーム」に記されてはいるが、文字ばかりで読み解きにくい。

その理解するヒントは、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が11月29日に取りまとめた意見書「令和7年度予算の編成等に関する建議」にある。この建議は、2025年度予算案に関する提言をまとめたものではあるが、ちょうど「AI・半導体産業基盤強化フレーム」が決まった直後に取りまとめられている。

では、その理解するヒントは、この「令和7年度予算の編成等に関する建議」

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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