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【代々木公園】夏限定のフレンチトーストも。パリ風モーニングがオールデイで楽しめる“大人映え”カフェ

なかくきくみこカフェライター

カフェライターなかくき くみこが実際に足を運んだ1,500軒以上のカフェのなかから、大人の皆さんが心から満足できるような素敵なカフェを紹介する連載「大人のための東京カフェ案内」。第8回目は、パリの朝食がオールデイで楽しめる隠れ家カフェを紹介します。

知らないと絶対見つけられない、看板のないカフェ

代々木公園駅の近くを歩いていると、「ねぇ、もしかしてここじゃない?」「そうかも」と、うれしそうに雑居ビルを指差しながら歩く女性たちの姿が。

そう、このビルの2階にあるのが、看板がなく知らないと見つけられないカフェ「プルミエメ」。パリで生活をしていた店主が開いた、フランス風のモーニングが1日中楽しめるお店です。

重い鉄の扉を開けると、その奥には優しいミントグリーンを基調にした空間が広がっています。光沢のある楠や神代楡(じんだいにれ)など、テーブルやイスには上質な木材が使用されており、ナチュラルで心地よい雰囲気です。

フランスの定番モーニングをグレードアップした贅沢な朝ごはん

同店の看板メニューは「ムイエットプレート」(1,700円、パンの追加+200円)。お店のコンセプトである「ちょっとよそゆきの朝ごはん」の通り、フランスで定番の朝ごはんをプルミエメ流にアレンジしています。

ムイエットとは半熟卵などに浸して食べるスティック状のパンのことで、プルミエメではきめの細かさが特徴の高級食パン「考えた人すごいわ」の「魂仕込」を使用。鉄板で調理することで、表面はカリッと中はふっくらとした食感に。

エッグカッターで卵を割るのも楽しい体験。卵は米を飼料にした鶏から生まれるレモンイエローのものと、濃厚なオレンジ色のもの2種類の食べ比べができる
エッグカッターで卵を割るのも楽しい体験。卵は米を飼料にした鶏から生まれるレモンイエローのものと、濃厚なオレンジ色のもの2種類の食べ比べができる

季節によって変わる5種類のデリは、一つ一つ丁寧に作られており見た目も鮮やか。ズッキーニのラペは、同店の店主であるすず。さんこと鈴江恵子さんがフランスの友人に教えてもらった調理法をもとに、大葉を混ぜて爽やかな味わいに仕上げています。

バタフライピーで色付けしたココナツが香るソルベは、自然派アイス専門店「fun.ice!」にオリジナルでオーダー
バタフライピーで色付けしたココナツが香るソルベは、自然派アイス専門店「fun.ice!」にオリジナルでオーダー

5月から提供がスタートした、期間限定商品「初夏の朝のおやつフレンチトースト」(1,900円、〜7月頃まで提供予定)もオススメ。フレンチトーストとヨーグルト、グラノーラ、フルーツを一皿で楽しめる夏の朝メニューです。

花びらを模したパイナップルは、シロップ漬けにした後、マリアージュフレールのルイボスティーで香りをまとわせてから冷凍。ほどよい酸味がフレンチトーストの甘みと相性抜群です。

フレンチトーストは、同店で一番リピーターの多い人気商品。バニラビーンズ入りの卵液に厚切り食パンを浸し、鉄板の上でじっくり焼き上げています。

「初夏の朝のおやつフレンチトースト」ではその後、フランス製のカソナード(きび砂糖)で表面をカリッとキャラメリゼし、ギリシャヨーグルトと甘酒玄米粉グラノーラをのせて完成。卵とバターの芳醇な香りと、プルンとした食感が食欲をそそる一品です。

コーヒー豆は同じく富ヶ谷にある自家焙煎コーヒー店「カフェロストロ」のものを使用
コーヒー豆は同じく富ヶ谷にある自家焙煎コーヒー店「カフェロストロ」のものを使用

夏のシーズンは、「コールドブリューフロート」(850円)も人気。8時間以上かけてじっくりと抽出した水出しコーヒーは、コクがあるのに後味すっきり。

沖縄産パッションフルーツのソルベがセットになっているので、まずはそれぞれを楽しんだあと、ソルベをコーヒーに溶かして飲んでみて。フルーティーな甘さとコーヒーのコクがマッチしており、蒸し暑い日にゴクゴク飲みたくなる格別な一杯です!

心のモヤモヤをそのままにしない。すべてをリセットして単身パリへ

同店を営んでいるのは、カフェを運営する傍ら、ベーカリーやカフェなどのPRサポートの会社を経営している鈴江恵子さん。大学を卒業し一般企業で働いていた鈴江さんは、「仕事は充実しているけど、このままでいいのかな……」と将来に対して不安を感じていました。

ある日、友人にその話をすると、同じ思いを抱いていたことが判明。そこで大学時代に訪れ、魅力を感じていたパリへ二人で行くことに決めました。「何かを見つけたいと思っていたんです。人生このままでいいのかな、なんかあるはずだ、それを見つけたい!って」。

3ヶ月間パリに滞在した後、友人は日本に戻ることにしましたが、鈴江さんは続けてパリで暮らすことに。安定していた仕事を辞め、住んでいた部屋も解約。持ち物はほぼすべて処分し、スーツケース1つだけを持ってパリに移住したのです。

パリでは言葉も通じず、今の時代のようにスマートフォンもなかったため困難なことも多くありましたが、人生で初めて解放感を感じました。「日本にいた頃はちゃんとしなくちゃ、っていう気持ちがすごくありました。でもフランスに行き、自由でいいんだと解き放たれた感覚でした」。

「自分らしく生きること」を大切にするフランス人の価値観は、鈴江さんにとってとても居心地が良かったのです。

料理が趣味の一つだった鈴江さんは、日本では見たことのない食材が並ぶマルシェやスーパーを巡るのがすごく楽しかったそう。また、マルシェで買った食材でサンドイッチを作り公園で食べたり、友人と手料理を振る舞いあったりする生活を送り、改めて自分が「食」に高い関心を持っていることに気づいたのだそうです。

5年ほどフランスで暮らした後、日本に帰国。帰国後は生活雑貨を取り扱う「中川政七商店」で秘書やECサイトの運営、広報などを担当しました。広報は前任担当者がほぼいない状態でしたが、独学で確立したとのこと。その時に身につけたノウハウや経験が、のちにPRとして独立することにつながりました。

カフェ好きが高じ、自分の理想を詰め込んだカフェをオープン

鈴江さんのインスタグラム(@suzu_premiermai)。これまで訪れたのべ4,000軒のカフェを掲載
鈴江さんのインスタグラム(@suzu_premiermai)。これまで訪れたのべ4,000軒のカフェを掲載

大学時代からカフェが好きで、社会に出てからは設計会社の飲食部門でカフェの立ち上げや運営にたずさわった経験もある鈴江さん。

ある日お父さんから譲り受けた一眼レフカメラを持ってカフェで写真を撮ってみたところ、予想以上に素晴らしい写真が撮れたことで、カフェへの興味が一層高まったそう。気になるお店を見つけるとすぐに足を運び、地方へ出張する際はその土地の有名カフェに立ち寄るなど、これまでのべ4,000軒以上のカフェを巡っています。

自身でカフェを開いたことについて、「好きが高じてお店を作ったような感じです。これまでたくさん巡ってきたなかで、こんなふうだといいなというのを全部取り入れました」と話します。

カフェで提供する商品についても、写真映えする見た目の美しさだけではなく、信頼できる取引先から食材を仕入れ、手間ひまを惜しまず手作りする。カフェのことが好きだからこそ、訪れた人が満足するような店づくりをしたいと考えています。

朝の時間帯は混み合いがちですが、平日は12時以降、休日は14時以降なら比較的スムーズに入りやすいとのこと。

次のお休みは、見た目も味わいも満足できるフランス風モーニングが楽しめるカフェ「プルミエメ」に足を運んでみませんか。

【店舗情報】

店名/プルミエメ

住所/東京都渋谷区富ケ谷1-6-10 代々木公園ビル2F

公式サイト/https://www.instagram.com/premiermai_tokyo/(外部サイト)

アクセス/東京メトロ千代田線 代々木公園駅より徒歩1分、小田急小田原線 代々木八幡駅より徒歩2分

定休日/水曜

営業時間/8時〜17時(フードL.O.16時、ドリンクL.O.16時30分)

※完全キャッシュレス

※新型コロナウイルス感染症対策により店舗の休業や営業時間の変更など、掲載内容と異なる場合があります。訪問される前に最新情報をご確認されることをおすすめします。

本連載では、今後も大人の皆さんにおすすめの魅力的なカフェを紹介していきます。ご興味のある方はぜひプロフィールからフォローをして頂けるとうれしいです。日々のカフェ巡りはインスタグラム(外部サイト)やツイッター(外部サイト)に投稿しています。

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カフェライター

カフェ専門のライターとして、雑誌やWEBで取材記事を執筆。都内を中心に1,600軒以上のカフェを訪問。各メディアにおいて空間・おいしさ・居心地の三拍子揃った「大人が心地よく過ごせるカフェ」を主に紹介している。2024年11月に著書が出版される予定。プライベートでは中学生男子の母で東京郊外在住、身長147cm、性格はのんびり屋。日々のカフェ巡りはinstagramで更新中。仕事実績:リンネル、タイムアウト東京、偏愛東京、CafeSnap、るるぶ&more.、レッツエンジョイ東京、書籍や雑誌にて取材協力、ラジオ出演、新聞掲載、他

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