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【府中】貴重な和のアンティークが溢れるレトロ喫茶。期間限定の栗スコーンとコーヒーで癒しの時間を

なかくきくみこカフェライター

カフェライターなかくき くみこが実際に訪れた1,500軒以上のカフェのなかから、大人が心から満足できるような魅力的なカフェを紹介する連載「大人のための東京カフェ案内」。第22回目は、和のアンティークコレクションに囲まれて心地よい時間が過ごせる喫茶店を紹介します。

ようこそ美術館へ...?! 希少なアンティークに囲まれる喫茶店

1970年に創業し、2018年現在の地に移転した喫茶店「珈琲屋マロコ」。店内には貴重なアンティークや骨董品が所狭しと飾られており、古き良き時代の日本にタイムスリップしたかのよう。

欅が使われた囲炉裏は佐野さん自らが設計し製作したもの
欅が使われた囲炉裏は佐野さん自らが設計し製作したもの

なかには江戸時代に描かれた浮世絵や年代物のランプ、130年前のドイツ製の古時計も。さながら美術館のようなコレクションの数に圧倒されます。

店主の佐野邦男さん
店主の佐野邦男さん

今年で御年79歳になる店主の佐野邦男さんは、生まれも育ちも地元府中。お父様は昭和8年に府中で牛乳販売店を創業し、佐野さん自身も幼少期から牛乳配達の手伝いをしていたのだとか。

しかし佐野さんが26歳の頃、近所に大きなスーパーが出店。何か別の事業を始めなければ、と辿り着いたのが喫茶店でした。

夜間学校に通っていた学生時代、国立にあった老舗喫茶店「邪宗門」によく通っており、もともと喫茶店が好きだったそう。鎌倉や八王子など郊外にある喫茶店を巡りながら、店のコンセプトや内装のイメージを考えました。

佐野さんが最初にアンティークの魅力にハマったのは、喫茶店の店内に飾る小物を買うため、知り合いが営む骨董店を訪れた時でした。初めて手にしたのは古い壁掛け時計。それからというもの、珍しい骨董品があると聞けば遠方まで足を運び、コレクションを増やしてきたのです。

「珈琲屋マロコ」では、佐野さんが50年という長い年月をかけて収集してきた貴重なアンティークの数々を間近で眺めることができます。

いなり寿司のような形がユニーク、味わい深い名物スコーン

ここを訪れたらぜひ味わってほしいのが「スコーン」(2個550円、ドリンクセット1,100円)です。プレーンやあんこ、チョコくるみなどの定番商品に加え、季節ごとに期間限定商品が登場し、その中から好きなものが2種類選べます。

同店のスコーンは、店長の坂口晴美さんが「写真でご覧になった方に“お稲荷さん”に間違えられることがあるんです」と話す通り、ちょっと珍しいかたちをしています。外側はビスケットのようにサクサクホロッとした食感で、生クリームをたっぷり使用しているため内側はしっとり。

今回は「プレーン」と共に、期間限定商品の「マロン」(1月下旬まで提供予定)をチョイス。「マロン」の生地には、刻んだマロングラッセや栗の粉末が練り込まれており、中にはマロンクリームが挟まれています。

実は私自身、こちらのスコーンが大のお気に入りで、これまでに何度リピートしたかわからないほど。全粒粉の香ばしさとほどよい塩味に、食べる手が止まらなくなる魅惑の一品です。

コーヒーは深煎り、中深煎り、浅煎り、デカフェの4種類が用意されています。

焙煎しているのは、以前、同店で店長をしていた自家焙煎コーヒー店「玲音珈琲」のオーナー赤坂友也さん。4種類のコーヒーはどれもコクがあり、落ち着いた店の雰囲気に合っています。浅煎りの「むさしのブレンド」(600円)は、ほどよい酸味と軽やかさを持ちながら、旨味とコクが堪能できる一杯。

ちなみに、サンドイッチやコーヒーに用いられる皿やカップ、郵便ポスト型のシュガーポットなどは佐野さんのお手製。温かみが伝わるやわらかな風合いに、ほっと心が和みます。

移転オープンの際に登場した「たまごサンド」(単品780円、ドリンクセット1,250円)も評判です。

天然酵母パン店「ノエル」の食パンに、切り昆布や海苔、甘麹などを加えて焼いた卵焼きをサンド。食パンに薄く塗られた辛子マヨネーズが食欲をそそります。

江戸時代の蔵戸や千本格子が使われた外観。暖簾は佐野さん自らがデザイン
江戸時代の蔵戸や千本格子が使われた外観。暖簾は佐野さん自らがデザイン

長い年月を経て人から人へと受け継がれてきたものや、丁寧に手作りされたものに囲まれた心落ち着く空間「珈琲屋マロコ」。寒い冬のひと時、ほっと心を温めるのにぜひオススメしたい場所です。

【店舗情報】
店名/珈琲屋マロコ
住所/東京都府中市府中町2丁目6−1 プラウド府中セントラル
公式HP/https://www.instagram.com/marokocoffee/(外部サイト)
アクセス/京王線 府中駅より徒歩3分
定休日/火曜
営業時間/11時〜19時(L.O.18時30分)

※新型コロナウイルス感染症対策により店舗の休業や営業時間の変更など、掲載内容と異なる場合があります。訪問前に最新情報を確認されることをおすすめします。

※取材では珈琲屋マロコ様のご協力により商品を無償で提供頂きました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。

本連載では、今後も都内にある魅力的なカフェを紹介していきます。ご興味のある方はプロフィールからフォローをして頂けるとうれしいです。

カフェライター

カフェ専門のライターとして、雑誌やWEBで取材記事を執筆。都内を中心に1,600軒以上のカフェを訪問。各メディアにおいて空間・おいしさ・居心地の三拍子揃った「大人が心地よく過ごせるカフェ」を主に紹介している。2024年11月に著書が出版される予定。プライベートでは中学生男子の母で東京郊外在住、身長147cm、性格はのんびり屋。日々のカフェ巡りはinstagramで更新中。仕事実績:リンネル、タイムアウト東京、偏愛東京、CafeSnap、るるぶ&more.、レッツエンジョイ東京、書籍や雑誌にて取材協力、ラジオ出演、新聞掲載、他

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