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「トリプル・スリー」のメジャーリーグ版!? 3人のジャクソンが同じ日に三塁打を打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャクソン・メリル(サンディエゴ・パドレス)Aug 16, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 日本プロ野球では、同じシーズンに、30本塁打以上、30盗塁以上、打率.300以上を記録することを「トリプル・スリー」と形容している。

 メジャーリーグでは、30本塁打以上と30盗塁以上を「30-30(サーティ・サーティ)」と形容する。30-30を達成した選手の打率が.300以上でも「トリプル・スリー」とは謳わない。

 ただ、8月16日は、こんなことが起きた。ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)、ジャクソン・チューリオ(ミルウォーキー・ブルワーズ)、ジャクソン・メリル(サンディエゴ・パドレス)が、それぞれ別の試合に出場し、3人とも三塁打(トリプル)を打った。

 MLBスタッツは、これについて、いずれもジャクソンというファーストネームの異なる3人が同じ夜に三塁打はMLB史上初、と謳っている。

 違うファーストネームの3人による同日の三塁打が、過去にあったのかどうかは不明だが、今シーズンに関しては、なかったようだ。例えば、8月4日に三塁打を打った6人のなかには、2人のザック、ザック・マッキンストリー(デトロイト・タイガース)とザック・ネト(ロサンゼルス・エンジェルス)がいるが、あとの4人のファーストネームは、コービン、アイザイア、ジェームズ、マット(=マシュー)だ。ちなみに、マッキンストリーもネトも、ザッカリーを縮めている。

 ホリデイ、チューリオ、メリルは、ラストネームからわかるように、ジャクソン5のような兄弟姉妹ではない。

 ただ、3人とも、今シーズンがメジャーリーグ1年目。トップ・プロスペクトと目されていた点も、共通する。ベースボール・アメリカは、開幕前のプロスペクト・ランキングにおいて、ホリデイとチューリオを全体1位と2位、メリルを17位に挙げていた。

 ここまで、ホリデイは、25試合で打率.200と出塁率.250、5本塁打と0盗塁、OPS.650。チューリオは、109試合で打率.274と出塁率.319、15本塁打と16盗塁、OPS.763。メリルは、119試合で打率.290と出塁率.322、17本塁打と13盗塁、OPS.808を記録している。三塁打は、ホリデイとチューリオが1本目、メリルは6本目だ。

 ホリデイの出場試合は少なく、スタッツも、2人と比べると見劣りがするが、先月末の再昇格後は、評価を裏づけるようなプレーをしている(「デビュー10試合で0本塁打の20歳が再昇格後は10試合で5本塁打。恋だけじゃなく昇格も2度目なら!?」)。

 3人のジャクソンは、揃ってスーパースターとなっていきそうだが、トリビアとして惜しむべきは、ラストネームのイニシャルがHとCとMということだ。ジャクソン5には「ABC」というヒット曲がある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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