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デビュー10試合で0本塁打の20歳が再昇格後は10試合で5本塁打。恋だけじゃなく昇格も2度目なら!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)Aug 10, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月10日、ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)は、2回表にホームランを打った。

 ホリデイは、20歳のルーキーだ。今シーズンがメジャーリーグ1年目。ここまで20試合に出場し、打率.171(70打数12安打)と出塁率.237、5本塁打、OPS.637を記録している。

 この20試合は、2つのスパンに分けられる。最初の昇格時と2度目の昇格後が10試合ずつだ。

 4月10日のメジャーデビューから10試合は、打率.059(34打数2安打)と出塁率.111、0本塁打、OPS.170。ホームランだけでなく、長打もなかった。一方、先月末の再昇格後は、10試合で打率.278(36打数10安打)と出塁率.350、5本塁打、OPS1.072だ。

 再昇格の当日に、グランドスラムで初本塁打を記録し、8月4日~7日は、3試合続けてホームランを打った。2つのスパンを比べると、四球は2→3だが、三振は18→10と半数近く減っている。

 どちらも、サンプル数は少なく、数値は極端に異なる。ただ、再昇格後の10試合は、フロックではない気がする。ホリデイは、2022年のドラフト全体1位だ。今シーズンの開幕前のプロスペクト・ランキングでは、ベースボール・アメリカとベースボール・プロスペクタス、MLB.comのいずれからも、全体1位に挙げられていた。

 ちなみに、メジャーデビュー前は、AAAの10試合で打率.333(42打数14安打)と出塁率.482、2本塁打、OPS1.077だった。4月下旬の降格から再昇格までは、63試合で打率.259(224打数58安打)と出塁率.421、8本塁打、OPS.876だ。

 なお、父のマット・ホリデイは、今から20年前、こちらも開幕直後にメジャーデビューし、降格を挟むことなく、最初の20試合で打率.353(68打数24安打)と出塁率.413、3本塁打、OPS.972を記録した。

 シーズン全体では、121試合で打率.290と出塁率.349、14本塁打、OPS.837。新人王の投票では、ナ・リーグ5位にランクインした。

 もっとも、ホームの打率.338と出塁率.406、10本塁打、OPS1.009に対し、アウェーでは打率.240と出塁率.287、4本塁打、OPS.654と極端な違いがあった。2008年のオフにトレードで移籍するまでは、打者天国のクアーズ・フィールドを本拠地とする、コロラド・ロッキーズでプレーした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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