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通算3本塁打の選手が3打席連続ホームラン。最初の2本は前田健太から。開幕ロースター入りは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・スタウアース(ボルティモア・オリオールズ)Feb 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月17日、前田健太(デトロイト・タイガース)は、ボルティモア・オリオールズの延べ17人に対して投げ、7三振を奪った。被安打は3本、与四球は1、失点と自責点は3。被安打はいずれも長打で、ホームラン2本と二塁打1本を打たれた。

 前田からホームランを打ったのは、カイル・スタウアースだ。「6番・DH」として出場し、1打席目と2打席目にライトへ連続アーチ。さらに、3打席目も、リース・オルソンの投球をレフトの芝生席まで飛ばした。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、2006年以降、スプリング・トレーニングで1試合3本塁打は12度目。2018年3月21日のマイク・ズニーノ以来だという。ズニーノについては、こちらで書いた。

「3年前に33本塁打のオールスター捕手が32歳で引退。通算150本塁打に1本届かず」

 また、今春、スタウアースのホームランは7本を数え、どの選手よりも多い。現時点で6本塁打以上は、他に皆無だ。ちなみに、昨春は、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)の8本が最も多かった。オルソンは、レギュラーシーズンでも、両リーグ最多の54本塁打を記録した。

 スタウアースは、26歳の外野手だ。2019年のドラフトで2巡目・全体71位指名を受け、スタンフォード大からオリオールズに入団した。メジャーリーグの通算出場は、まだ50試合に達していない。2022年は34試合に出場し、ホームラン3本を含む8本の長打を打ったが、出場14試合の2023年は、長打なしの30打数2安打に終わった。

 パワーのポテンシャルは高い。2022年はAAAの95試合で19本塁打、2023年はルーキークラスとA+とAAAの計75試合で21本塁打を記録している。

 ただ、開幕ロースターに入れるかどうかは、微妙なところだ。少し、難しい気もする。

 オリオールズの外野トリオは、左から右に、オースティン・ヘイズセドリック・マリンズアンソニー・サンタンダーで確定している。DHは、2人のライアン、ライアン・オハーンライアン・マウントキャッスルのどちらかだ。もう一方のライアンは、一塁を守る。

 控えの外野手が2人だとしても、そのうちの1人は、内外野を守るホルヘ・マテオだろう。あとの1人も、候補は少なくない。コルトン・カウザーヘストン・カースタッド――2021年のドラフト全体5位と2020年のドラフト全体2位――に、スタウアース、ライアン・マッケンナらがそうだ。

 今春、カウザーは、打率.364と出塁率.488、4本塁打を記録している。3月17日は、前田から二塁打を打った。スタウアースの打率と出塁率は.297と.316だ。

 なお、スタウアースは、佐々木麟太郎の大学の先輩、ということになる。スタンフォード大出身の選手については、先月、こちらで書いた。

「佐々木麟太郎が入学するスタンフォード大出身選手のMLB通算本塁打トップ10。将来はそこに佐々木も!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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