通算3本塁打の選手が3打席連続ホームラン。最初の2本は前田健太から。開幕ロースター入りは…
3月17日、前田健太(デトロイト・タイガース)は、ボルティモア・オリオールズの延べ17人に対して投げ、7三振を奪った。被安打は3本、与四球は1、失点と自責点は3。被安打はいずれも長打で、ホームラン2本と二塁打1本を打たれた。
前田からホームランを打ったのは、カイル・スタウアースだ。「6番・DH」として出場し、1打席目と2打席目にライトへ連続アーチ。さらに、3打席目も、リース・オルソンの投球をレフトの芝生席まで飛ばした。
MLB.comのサラ・ラングスによると、2006年以降、スプリング・トレーニングで1試合3本塁打は12度目。2018年3月21日のマイク・ズニーノ以来だという。ズニーノについては、こちらで書いた。
◆「3年前に33本塁打のオールスター捕手が32歳で引退。通算150本塁打に1本届かず」
また、今春、スタウアースのホームランは7本を数え、どの選手よりも多い。現時点で6本塁打以上は、他に皆無だ。ちなみに、昨春は、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)の8本が最も多かった。オルソンは、レギュラーシーズンでも、両リーグ最多の54本塁打を記録した。
スタウアースは、26歳の外野手だ。2019年のドラフトで2巡目・全体71位指名を受け、スタンフォード大からオリオールズに入団した。メジャーリーグの通算出場は、まだ50試合に達していない。2022年は34試合に出場し、ホームラン3本を含む8本の長打を打ったが、出場14試合の2023年は、長打なしの30打数2安打に終わった。
パワーのポテンシャルは高い。2022年はAAAの95試合で19本塁打、2023年はルーキークラスとA+とAAAの計75試合で21本塁打を記録している。
ただ、開幕ロースターに入れるかどうかは、微妙なところだ。少し、難しい気もする。
オリオールズの外野トリオは、左から右に、オースティン・ヘイズ、セドリック・マリンズ、アンソニー・サンタンダーで確定している。DHは、2人のライアン、ライアン・オハーンとライアン・マウントキャッスルのどちらかだ。もう一方のライアンは、一塁を守る。
控えの外野手が2人だとしても、そのうちの1人は、内外野を守るホルヘ・マテオだろう。あとの1人も、候補は少なくない。コルトン・カウザーとヘストン・カースタッド――2021年のドラフト全体5位と2020年のドラフト全体2位――に、スタウアース、ライアン・マッケンナらがそうだ。
今春、カウザーは、打率.364と出塁率.488、4本塁打を記録している。3月17日は、前田から二塁打を打った。スタウアースの打率と出塁率は.297と.316だ。
なお、スタウアースは、佐々木麟太郎の大学の先輩、ということになる。スタンフォード大出身の選手については、先月、こちらで書いた。