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3年前に33本塁打のオールスター捕手が32歳で引退。通算150本塁打に1本届かず

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・ズニーノ(左)とタイラー・グラスナウ Apr 28, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月6日、マイク・ズニーノは、引退を表明した。エージェンシーのワッサーマン・ベースボールが、インスタグラムにズニーノの声明文を掲載した。

 ドラフト順位は、2012年の全体3位。カルロス・コレイア(現ミネソタ・ツインズ)とバイロン・バクストン(ツインズ)に続き、シアトル・マリナーズに指名された。全体4位は、ケビン・ゴーズマン(現トロント・ブルージェイズ)だ。

 翌年6月にメジャーデビューしたズニーノは、昨年6月にクリーブランド・ガーディアンズから解雇されるまでプレーした。現在の年齢は32歳だ。今月下旬に、33歳の誕生日を迎える。

 通算892試合で打率.199と出塁率.271、149本塁打と2盗塁、OPS.676のスタッツからすると、全体3位指名にそぐわないキャリアのようにも見える。だが、ズニーノは、パワーがあり、ディフェンスも優れていた。ポジションは捕手だ。

 11シーズン中、20本塁打以上は4度を数え、4度目の2021年は、33本のホームランを打った。10.1打数/本のペースは、この年に5本塁打以上(368人)のトップ。ちなみに、30本塁打以上(43人)の2位と3位は、11.4打数/本(42本)のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)と11.7打数/本(46本)の大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ロサンゼルス・ドジャース)だった。ズニーノは、シーズン19本目と20本目の間に、最初で最後となったオールスター・ゲームでも、ホームランを打った。

 また、2020年のポストシーズンは、19試合で4本塁打を記録した。その4本目は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第7戦だ。タンパベイ・レイズは、ランディ・アロザレイナの2ラン本塁打、ズニーノのソロ本塁打、ズニーノの犠牲フライで4対0とリードし、そこから、ヒューストン・アストロズに2点を返されたものの、ワールドシリーズ進出を決めた。

 なお、タイラー・グラスナウ(現ドジャース)の通算イニングを、捕手ごとに分けると、ズニーノに対して投げた111.1イニングが最も多い。他の捕手は、いずれも70イニング未満だ。グラスナウは、2019~21年にズニーノとバッテリーを組み、奪三振率13.18と与四球率2.59、防御率2.59を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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