カブスに続き、ヤンキースも「ポストシーズンの秘密兵器」を手に入れた
8月27日、ニューヨーク・ヤンキースは、クインティン・ベリーとマイナーリーグ契約を交わした。
今シーズン、ベリーはメジャーリーグの試合には出場していない。8月23日に解雇されるまで、ミルウォーキー・ブルワーズ傘下のAAAでプレーしていた。過去5年(2013~17年)も、メジャーリーグにおけるレギュラーシーズンの出場は、計38試合に過ぎない。昨シーズンは、独立リーグのロングアイランド・ダックスでもプレーした。また、11月には34歳を迎える。
だが、ベリーは優れたツールを持っている。メジャーリーグ1年目の2012年は、21盗塁を決め、一度もアウトにならなかった。通算でも、29盗塁に対して失敗はわずか2度。今シーズンも、AAAの42試合で10盗塁を成功させ、失敗は1度だけだ。
ヤンキースには、盗塁王3度のジャコビー・エルズベリーがいるが、開幕前から欠場している。しかも、8月7日に腰の手術を受け、シーズン全休が決まった。数日前に紹介したシカゴ・カブスのテレンス・ゴア(「カブスが獲得したあの選手は、ポストシーズンの「秘密兵器」となるのか」)と同じく、ベリーは代走要員として、ポストシーズンのロースターに入ってもおかしくない。その可能性は、ゴアより高いかもしれない。
地区首位にいるカブスと違い、ヤンキースはワイルドカードが濃厚だ。ボストン・レッドソックスに5ゲーム以上の差をつけられている。ワイルドカードの場合、1試合限りのワイルドカード・ゲームに勝たないと、その先のディビジョン・シリーズには進めず、ポストシーズンから姿を消す。ロースターはシリーズごとに入れ替えができるので、ディビジョン・シリーズの第1戦に登板予定の先発投手を外し、代わりにベリーを入れることは十分に考えられる。
ベリーがポストシーズンに出場すれば、5年ぶりとなる。2012~13年に出場したポストシーズンの試合で、ベリーは失敗することなく5盗塁を決めた。ベリーを擁した2012年のデトロイト・タイガースと2013年のレッドソックスは、どちらもワールドシリーズまで駒を進め、レッドソックスはワールドチャンピオンに輝いた。