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今月の大谷翔平はカイル・シュワーバーに似ている!? 打率1割台ながらホームランは多く…

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)Aug 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今月に入ってから、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、7本のホームランを打っている。17試合で7本塁打だ。今月が終わるまでに、ドジャースは、あと10試合を行う。

 一方、今月の打率は.181だ。出塁率も.241に過ぎない。79打席で72打数13安打。ホームラン以外の安打は、シングル・ヒットが4本と、二塁打と三塁打が1本ずつだ。

 今シーズン、各月のホームランは、3・4月が7本、5月も7本、6月が12本、7月は6本。4ヵ月とも、打率は.285を上回り、出塁率は.380を超えていた。なお、3月と4月は、合わせて1ヵ月としている。9月と10月も――今年のレギュラーシーズンは9月で終了――同様だ。

 ロサンゼルス・エンジェルス時代も、60打席以上で打率.200未満の月はなく、出塁率.260未満も皆無だった。

 昨シーズン、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、打率.197と47本塁打を記録した。シーズン打率.200未満で40本以上のホームランを打った選手は、それまでいなかった。

 昨シーズンの6ヵ月のうち、5月と7月の打率は.200を下回った。5月が打率.115、7月は打率.175。それぞれのホームランは、7本と6本だ。シュワーバーと大谷は、左打者、本塁打王1度、現在はDH、というところが共通する。シュワーバーは、2022年の46本塁打がナ・リーグ1位。大谷は、昨シーズンの44本塁打がア・リーグで最も多かった。

 ただ、シュワーバーの場合、昨シーズンの出塁率は、どの月も.300以上だった。今月のここまでの大谷は、この点が異なる。

 2023年も2024年も、シュワーバーは、1打席平均4.20球前後を投げさせている。大谷は、両シーズンとも4.00球に満たない。

 また、打撃以外にも違いはある。今月、大谷は、9盗塁を記録している。シュワーバーは、2022年9月の4盗塁が1ヵ月の最多だ。シーズン全体も、2022年の10盗塁が最も多い。

 ちなみに、今シーズン、シュワーバーは、毎月、打率.200を超えている。各月のホームランは、8本、3本、6本、5本、6本。シーズン全体では、打率.251と出塁率.378、28本塁打、OPS.858を記録している。大谷の打率.290、39本塁打、OPS.989は、いずれもシュワーバーを凌ぐが、出塁率はこちらも.378だ。

 細かく言うと、出塁率は、シュワーバーのほうがわずかに高い。シュワーバーの.378はナ・リーグ4位、大谷の.378は5位に位置している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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