「ルイ・ヴィトン」が食べられる⁉ カフェ、チョコレートショップもある展覧会「LV DREAM」開催中
「ルイ・ヴィトン」といえば、草間彌生さんとのコラボレーションがソーシャルメディアなどで盛んに話題になっていますが、今日ご紹介するのはパリ本社の一角で開催中の「LV DREAM」です。
※実際に体験してみた動画を記事の終わりに添えています。そちらも合わせてご覧ください。
そもそも「ルイ・ヴィトン」の本社がどこにあるのかというと、パリ中心部、セーヌ川にかかるポンヌフの右岸。通りを挟んで向かい側にある「サマリテーヌ」デパート、そして超高級ホテル「シュヴァル・ブラン」が新名所になっていることは以前ご紹介しましたが、これらも「ルイ・ヴィトン」グループによるパリの新しい顔です。
さて、「LV DREAM」。本社の一角、といっても二つのフロアを広々と贅沢に使ったもので、地上階は「ルイ・ヴィトン」160年のクリエーションを走馬灯のように概観する展覧会場になっています。19世紀の特注のトランクなどから始まり、各時代のアーティストたちとコラボレーションしたバッグ、トランク、スカーフなどが一堂に見られます。
日本が誇るアーティスト、村上隆さん、そして目下話題の草間彌生さんとのコラボレーションアイテムももちろんあります。
その時代その時代で、人々をハッとさせるようなクリエーションを発表し、いわばモードを創造してきた系譜そのものがすでに面白いのですが、展示の方法が見事。インパクトのあるグラフィックデザインとデジタルアートを駆使したもので、展覧会場全体に動的なエネルギーがあって、見飽きることのない演出になっています。
展覧会は入場無料。ですが、サイトから日時を予約して入場するというシステムになっています。
展覧会とは別に、予約なしで入れるのが上階部分。そこには、ギフトショップ、カフェ、そしてチョコレートショップが出現しています。ギフトショップには、ミニバッグなどの革製品もあるのですが、「えー! こんなものも作ってるんだ」と、と思わず声が出る、遊び心たっぷりのアイテムが勢揃い。
そして、私が個人的に楽しみにしていたのは、チョコレートショップとカフェです。スイーツの製作は「シュヴァル・ブラン」のシェフパティシエであるマキシム・フレデリックさんによるもの。
「シュヴァル・ブラン」内には、開店早々三つ星を獲得したレストラン「プレニチュード」がありますが、フレデリックさんはそちらのシェフパティシエでもあります。そう聞けば、「LV DREA」カフェとチョコレートショップのレベルもご想像がつくでしょう。
ラグジュアリーブランドの冠をかぶっている以上、カカオなど素材にこだわっているというのはもちろんですが、いずれのスイーツにも「ルイ・ヴィトン」のモノグラムやモチーフがデザインされているのが面白いところ。スペシャル感満載で、まさに「ルイ・ヴィトン」を食すという気分です。
ところで、パリのカフェというと、お隣のテーブルの話が丸聞こえというくらい、ちょっと窮屈な印象があるかもしれませんが、このカフェは広いスペースを悠々と使っていて、大きな窓からセーヌ川が間近に見えたりするところも特別。テーブルや食器、クッションやランチョンマットなどしゃれたアイテムに囲まれる心地よさもまた格別です。
ちなみにこのカフェでいただけるのはスイーツのみ。食事やサンドイッチなどの軽食はありません。とはいえ、「ドンペリ」をはじめ、LVMHグループのシャンパーニュが勢揃いしているのはお約束。
加えて興味深いのは、お茶のリストで、紅茶よりも先に、白茶、緑茶、烏龍茶が並んでいるあたりがパリの最先端という印象です。しかも、緑茶4種のうち3つは日本茶で、煎茶、玄米茶は静岡で200年以上続く「Moriuchi-san」の自然農法のお茶という詳しい説明付き。ただ単に緑茶、日本茶が目新しいという風潮は過去のものになりつつあって、こだわっているお店では、ワインの銘柄同様に、お茶もまた生産者までこだわってセレクションする時代になってきたことを感じます。
そして、煎茶、玄米茶につぐもう一つの緑茶は何かというと、「抹茶ラテ」。ヨーロッパの若い世代には今かなり人気があるのです。
この「LV DREAM」の会期は今年11月15日まで。期間中にパリを訪ねる予定のある方は、のぞいてみてはいかがでしょう。期間限定の特別なパリが味わえると思います。