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【週刊くふうハヤテ】6月初勝利。弟はオリックスの宜保優が”プロ初本塁打”&3盗塁で連敗ストップに貢献

菊田康彦フリーランスライター
くふうハヤテの宜保優(2024年5月14日筆者撮影)

 今シーズンからプロ野球(NPB)の二軍、ウエスタン・リーグに参加している新球団、くふうハヤテベンチャーズ静岡。先週(6月11~16日)は静岡草薙球場とちゅ~るスタジアム清水(略称ちゅ~るスタ)で読売ジャイアンツとのファーム交流戦3連戦、杉本商事バファローズスタジアム舞洲ではオリックス・バファローズと3連戦を行なった。

対巨人:11日●5対6 12日●2対4 13日●1対9

 ナイターで行われた11日の試合は巨人の四番・萩尾匡也に満塁ホームランを打たれるなど序盤から大量リードを許しながらも、4点差で迎えた9回裏に猛追。2020年まで巨人の育成選手だった代打・折下光輝(おりした・こうき、関西独立リーグ・堺シュライクス)が古巣を相手に意地の2点タイムリーを放つと、2死三塁から五番・仲村来唯也(なかむら・らいや、九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズ)の中前打で1点差まで迫るが、あと一歩及ばなかった。

 17時プレーボールの12日は2回に押し出し死球で1点先取も、先発の西濱勇星(にしはま・ゆうせい、オリックス育成)が5回に逆転されると、6回に折下の2号ソロで1点を返すのが精いっぱい。舞台をちゅ~るスタに移した13日は、4点を追う4回に四番・西川僚祐(千葉ロッテマリーンズ)の2号ソロが飛び出すが、その後は一方的な展開となり5月30日から続く連敗が8まで伸びた。

対オリックス:14日〇5対2 15日●1対3 16日●2対3

 14日のオリックスとの初戦は、1回表に二番・宜保優(ぎぼ・ゆう、BCリーグ・栃木ゴールデンブレーブス)のウエスタン・リーグ初本塁打で1点を先制すると、6回には相手のパスボールや六番ブラウリオ・バスケス(ドミニカ共和国、アギラス・シバエーニャス)の適時二塁打などで3点を追加。先発の左腕、奥田域太(おくだ・かなた、星城大)が8回まで2失点に抑え、9回は平間凛太郎(メキシカン・リーグ、メキシコシティ・レッドデビルズ)が無失点で締めくくって6月に入って初の白星をつかんだ。奥田はチーム単独トップ、リーグ3位タイの4勝目(5敗)、平間は2つ目のセーブを挙げた。

 だが、15日は4回の3連打も得点にはならず、3点ビハインドの9回に折下の犠牲フライで1点を返したのみ。16日はオリックス先発の椋木蓮に5回までわずか1安打に抑え込まれ、6回に投手が代わったところで三番・福田秀平(千葉ロッテマリーンズ)の犠飛などで同点に追いつくも、その裏に1死二、三塁から野選で失った1点が決勝点に。5月18~19日のオリックス戦以来のカード勝ち越しとはならなかった。

元ヤクルト飯原誉士「宜保は良い選手。僕も助かった」

 連敗を8で止めた14日のオリックス戦。初回に決勝弾となるソロ本塁打を放っただけでなく、6回に二塁盗塁、7回には二盗、三盗を立て続けに決めて福田の犠牲フライでホームを踏むなど、攻走で勝利に貢献したのが宜保である。

 沖縄・那覇高、九州共立大を経て2022年にBCリーグの栃木に入団した宜保は、昨シーズンはケガで出遅れながらも39試合の出場で打率.327、3本塁打、13盗塁をマーク。東京ヤクルトスワローズで選手として12年間プレーし、退団後は栃木で選手兼任コーチを務めた飯原誉士(現栃木チームディレクター)は、その宜保を「全体的にバランスが取れていて、打撃は積極性があり守備もマルチにできる良い選手。僕も(コーチで)チームにいる時は助かった」と評する。

 昨秋のトライアウトを受けてくふうハヤテに入団すると、飯原の言葉どおり内野の全ポジションを守るなど、ここまでは41試合の出場で打率.225、1本塁打、6打点、9盗塁、出塁率.304という成績。1歳下の弟、宜保翔はドラフト5位で2019年にオリックスに入団しており、自身も代打で同点タイムリーを放った5月14日のヤクルト戦(草薙)後には、今秋のドラフト指名に向けて「どんどんシーズンを通して良いところを見せ続けるしかないと思うんで、頑張りたいと思います」と話している。

 なお、くふうハヤテは60試合を消化して15勝41敗4分け、勝率.268でウエスタン・リーグ6位。5位の広島東洋カープが先週は6戦全敗だったため、ゲーム差は7に縮まっている。今週は今日、18日からその広島とホームグラウンドのちゅ~るスタで3連戦、22日からはタマホーム スタジアム筑後で福岡ソフトバンクホークスとの2連戦が予定されている。

(選手名の後ろのカッコ内は読みがな、前所属。文中の今季成績等は6月17日現在)

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フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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