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台風3号は珍しい発生当初からの大型の台風

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風3号の雲(ウェザーマップ)

大型の台風として発生

台風3号の予報円(ウェザーマップ)
台風3号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風や熱帯低気圧情報(気象庁発表)

タイトル画像にある通り、きょう20日(土)午後3時、フィリピンの東海上で台風3号が発生しました。台風3号は発生当初から黄色い強風域の直径が1090キロもある大型の台風となっています。

多くの場合、台風が発生する時にはまだ比較的小さな渦巻きなことが多く、強風域の直径はせいぜい500キロ程度のことが多いものですが、今回の台風3号は、発生当初から強風域の直径が1000キロ以上(半径500キロ以上)もある大型の台風として生まれました。

筆者が台風の強風域の大きさの統計がある1977年以降のデータで調べたところ、過去最も大きな強風域を伴って発生した台風は、2021年台風18号で、発生当初からその直径は実に1800キロとなっていて、大型なのはもちろん超大型の台風として発生しました。

台風3号は、海水温が30度以上ある暖かな海域で発達しながら北上し、来週24日(水)から25日(木)頃に、強い勢力で、沖縄地方を通過する可能性が高くなっています。(関連記事

74年間で5番目に遅い台風3号の発生

台風3号の遅い発生記録(筆者作成)
台風3号の遅い発生記録(筆者作成)

上図は、台風3号の遅い方からの発生記録です。きょうは7月20日(土)ですから、1951年の統計開始以来、74年間で、5番目に遅い台風3号の発生となりました。(速報値)

沖縄地方は大荒れのおそれ

沖縄地方の予報(ウェザーマップ)
沖縄地方の予報(ウェザーマップ)

沖縄地方では、台風3号の影響で、週明け23日(火)頃から風が強まり、24日(水)から25日(木)にかけては、先島諸島を中心に、大荒れとなるでしょう。台風3号の動きが遅いため、26日(金)頃までは、吹き返しの南風を伴った荒天が続くおそれがあります。

沖縄ではこれまで太平洋高気圧の勢力が強く、また海水温が高いこともあって、7月に入ってから記録的な猛暑が続いていますが、台風3号によって大荒れとはなるものの、この記録的な猛暑には、いったん終止符が打たれることになりそうです。

参考:国立情報学研究所(デジタル台風)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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