トルコ軍所属と思われるドローンがシリア北東部を爆撃し、ロシア軍兵士らが負傷
トルコ国境に近いシリア北東部で7月16日、所属不明の無人航空機(ドローン)による爆撃があった。
クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いハーワール・ニュース(ANHA)によると、所属不明のドローンが、シリア政府と北・東シリア自治局(PYDが主導する自治政体)の共同統治下にあるダルバースィーヤ市(ハサカ県)とハサカ市を結ぶ街道一帯を午前と夕方の2度にわたって爆撃した。
爆撃を受けたのはダルバースィーヤ市から南1キロほど離れた地点。
英国を拠点とする反体制系NGOのシリア人権監視団によると、1度目の爆撃では、北・東シリア自治局の武装部隊であるシリア民主軍(クルド民族主義民兵組織の人民防衛隊(YPG)主体)とロシア軍の合同調整センターから100メートルほど離れたガレージが狙われ、地元のドライバー1人が負傷した。
狙われたガレージは、シリア民主軍がかつて拠点として利用していたという。
また、ANHAによると、2度目の爆撃では、ロシア軍の拠点が狙われ、ロシア軍兵士2人と同行していたシリア軍兵士1人が負傷した。
これに関して、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は声明を出し、爆撃を行ったのがトルコ軍のドローンだと断定したうえで、ロシア軍兵士1人と民間人3人が負傷したと発表した。
シリア北部での爆撃は7月15日のトルコの占領下にあるアレッポ県北部のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市の一つバーブ市に対するロシア軍所属と思われる戦闘機の爆撃に続いて2日連続(「トルコ占領下のシリア北部を所属不明の戦闘機が爆撃、反体制系サイトはロシア軍の攻撃との見方を示す」を参照)。
(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)