ノート(115) 最高検が公表した厚労省事件の捜査公判に対する検証結果について思うこと
~整理編(25)
勾留94日目
検察人事
金曜日のこの日は、NHKラジオのニュースで週明け月曜日である12月27日付けの検察人事が報じられた。
検事総長の大林宏さんが引責辞任し、後任として東京高検検事長の笠間治雄さんが就任するという。同時に、最高検次長検事の伊藤鉄男さんが引責辞任し、後任として札幌高検検事長の小津博司さんが就任するとのことだった。
法務省勤務が長い「赤レンガ派」の大林さんと違い、笠間さんは東京地検特捜部など捜査畑一筋の生粋の「現場派」だ。逆に、伊藤さんは法務省勤務もあるが現場が長い「現場派」だが、小津さんは早くから将来の検事総長候補と目されていた典型的な「赤レンガ派」だ。
最高検のトップとナンバー2を刷新するものの、トップには「現場派」を、ナンバー2には「赤レンガ派」を据えたわけで、絶妙なバランスと言えた。
検察改革への期待
検察官の定年は63歳であり、検事総長になれば65歳まで伸びるが、この時点で62歳だった笠間さんは1月に63歳の定年となり、東京高検検事長を最後に退官する予定だった。
事務次官など法務省の要職はおろか、法務省そのものでの勤務経験すらなく、しかも東大ではなく中央大学出身でもあり、本来であれば検事総長の目などないはずだった。
引責辞任した小林敬さんの後任として「東回り」である名古屋地検の検事正が大阪地検の検事正に横滑りしたのも特捜部の不祥事に伴う異例の人事だったわけで、笠間さんについても同様のことが言えた。
特に笠間さんには、火中の栗を拾い、先頭に立って検察改革を推し進めることが期待されているものと思われた。
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