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タイガースはワイルドカードの3位と1.5ゲーム差。夏にフレアティをドジャースへ放出したのに!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケイダー・モンテーロ(デトロイト・タイガース)Sep 10, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 デトロイト・タイガースは、ア・リーグのワイルドカード・レースの4位に位置している。3位のミネソタ・ツインズとの差は1.5ゲームだ。3位ならポストシーズンへ進み、4位だとオフを迎える。

 夏のトレードで、タイガースは、ジャック・フレアティをロサンゼルス・ドジャースへ放出した。それまでに、フレアティは、先発18登板で106.2イニングを投げ、奪三振率11.22と与四球率1.60、防御率2.95を記録していた。

 フレアティだけではない。スタメンマスクをジェイク・ロジャースと分け合っていたカーソン・ケリー(→テキサス・レンジャーズ)、DHに加え、外野と一塁を守っていたマーク・キャナ(→サンフランシスコ・ジャイアンツ)、41登板で防御率3.16のアンドルー・チェイフィン(→レンジャーズ)も手放した。

 7月を終えた時点では、借金5を抱え、ワイルドカード・レースの3位に8.0ゲーム差をつけられていた。一方、8月以降の勝率.619(26勝16敗)は、ア・リーグで最も高い。ヒューストン・アストロズの勝率.595(25勝17敗)を上回る。

 ただ、ミラクルと表現するのは、少し違う気もする。昨オフ、タイガースは、FA市場に出ていた先発投手2人を手に入れた。2年2400万ドルの契約で前田健太を迎え入れ、フレアティと1年1400万ドルの契約を交わした。大型補強ではないものの、ローテーションを整備し、勝とうとしていたことが窺える。

 前田は先発16登板で防御率7.26と結果を残せず、ブルペンに回っているが、タリック・スクーバルはサイ・ヤング賞を受賞しそうだ。リース・オルソンも、7月下旬に肩を痛めるまでは、先発19登板で防御率3.23(9月16日に復帰)。また、ルーキーのケイダー・モンテーロは、7月初旬からローテーションに加わり、8月以降は9登板で防御率3.33を記録している。

 タイガースのチーム防御率3.65は、ア・リーグ2位だ。後半の防御率3.12は、最も低い。ブルペンには、いずれも60登板以上で防御率3.05未満の3人、ジェイソン・フォーリータイラー・ホルトンウィル・ベストがいる。

 なお、ツインズを追い抜いても、ポストシーズンに進めるかどうかは、わからない。タイガースのすぐ下には、シアトル・マリナーズが位置している。ツインズとマリナーズの差は2.0ゲーム。タイガースとマリナーズは0.5ゲーム差だ。

 2011~14年の地区4連覇を最後に、タイガースは、ポストシーズンから遠ざかっている。このブランクは、ロサンゼルス・エンジェルスと並び、継続中では最も長い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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