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日本のイタリアンレストランとシェフが驚きの快挙! カルミネ・アマランテ氏のインタビュー全文を大公開

東龍グルメジャーナリスト
カルミネ・アマランテ氏 (C) アルマーニ

注目を集めているイタリアのアワード

食に関するアワードやランキングはたくさんあります。日本では2007年から発売開始されたミシュランガイドが最も影響力が大きいでしょう。2013年から始まった「アジアのベストレストラン50」も非常に注目されています。

フランスの「ゴ・エ・ミヨ」や「ラ・リスト」、さらには若手料理人を発掘する日本国内の「RED U-35」、料理コンクールの「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール」「エスコフィエ・フランス料理コンクール」「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」など、料理コンクールは枚挙にいとまがありません。

海外に目を向けると、世界的に衆目を集めているのが、イタリアのグルメ雑誌「Gambero Rosso(ガンベロ・ロッソ)」が発表する「Top Italian Restaurants 2022」。「ガンベロ・ロッソ」とはイタリア語で「赤い海老」を意味します。

Gambero Rosso International

Top Italian Restaurants(Gambero Rosso International)

カルミネ・アマランテ氏が快挙

アルマーニ / リストランテ (C) アルマーニ
アルマーニ / リストランテ (C) アルマーニ

「Top Italian Restaurants 2022」は世界に展開するイタリア料理店を評価するアワードです。ファインダイニング部門、トラットリア部門、ピッツェリア部門、ワインバー部門に分かれており、1から最高ランクの3まで評価。評価はフォーク、シュリンプ、スライス、ボトルの数で表現されているのもユニークです。

高級レストランを対象としたファインダイニング部門では、3フォークを受賞したレストランは世界で20軒、日本では2軒しかありません。

そして、日本で3フォークを獲得したファインダイニングのシェフが、世界に1人だけ贈られる「The Chef of the Year」も受賞しました。

その料理人とは「アルマーニ / リストランテ」のエグゼクティブシェフであるカルミネ・アマランテ(Carmine Amarante)氏です。

【アルマーニ / リストランテ】大快挙!Gambero Rossoで最高評価3フォークを獲得&世界に1名に贈られるシェフオブザイヤーを獲得!(時事ドットコム)

「アルマーニ / リストランテ」、Gambero Rossoで3フォークを初獲得

さらには、「Top Italian Restaurants 2022」と並んで重要視される「50 Top Italy」でも、「アルマーニ / リストランテ」が25位にランクイン。世界中にある「アルマーニ / リストランテ」でもトップ50に入ったのは初めてのことでした。

50 Top Italy

快挙を成し遂げたアマランテ氏にインタビューしたので紹介しましょう。

カルミネ・アマランテ氏へのインタビュー

カルミネ・アマランテ氏 (C) アルマーニ
カルミネ・アマランテ氏 (C) アルマーニ

Q:「Top Italian Restaurants 2022」はどのようなものですか?

アマランテ氏:ミシュランガイドなどと同じように、大変重要なアワードです。特にイタリアでは、ミシュランガイドより注目されており、ランキングに入ることは簡単ではありません。

Q:3フォークや「The Chef of the Year」は予想していましたか?

アマランテ氏:フォークをとりたいと思って日々仕事に打ち込んでいましたが、正直「The Chef of the Year」に選ばれるとは思っていませんでした。フォークの数が最高ランクである3であったことにも驚いています。

Q:どのようなところが評価されたと考えていますか?

アマランテ氏:まずはシェフとしてのアイデンティティ、次に食材のクオリティではないでしょうか。そして3つ目は、自身がエグゼクティブシェフに就任して以来「アルマーニ / リストランテ」が進化を続けていることだと思います。

鹿のローストとニンジンのヴィネグレットソース (C) 東龍
鹿のローストとニンジンのヴィネグレットソース (C) 東龍

Q:「ハインツ・ベック(HEINZ BECK)」でシェフを務めていた時にも3フォークを獲得していましたが、どういう気持ちですか?

アマランテ氏:以前は私より上にハインツ・ベックさんがいましたが、今は全て自分自身が考案しているので、より感慨深いです。「ハインツ・ベック」では、私がシェフに就任する前にもフォークを獲得していましたが、今回はこれまでフォークがないところから3フォークとなったので本当に嬉しく思っています。

Q:今回の受賞によって、何か変化はありましたか?

アマランテ氏:賞をいただくことはゴールではなく、新たな挑戦のスタートにすぎません。これからも色々な賞にチャレンジしていきたいですね。方向性が間違っていなかったと確信するきっかけにもなったので、これからも突き詰めていきたいと思います。

Q:「50 Top Italy」で25位になったのはどのような気持ちですか?

アマランテ氏:「Top Italian Restaurants 2022」と同じように嬉しいサプライズでした。来年は、より高いランクを目指したいですね。

Q:今後挑戦したいことは、何かありますか?

アマランテ氏:今月(2022年1月)に京都のラグジュアリーホテル「HOTEL THE MITSUI KYOTO」とサステナビリティの観点からつくり上げる特別なコラボレーションを実施します。春にもやはりサステナビリティを意識した新しいプロジェクトを考えています。通常のメニューを進化させ続けることに加えて、社会への貢献を意識した活動にも、これまでより一層、力を入れていきたいです。

食品ロス削減にも寄与するアマランテ氏

「LOSS FOOD MENU」の「トマトのヴァリエーション」 (C) 東龍
「LOSS FOOD MENU」の「トマトのヴァリエーション」 (C) 東龍

アマランテ氏は実力派の料理人であることに加えて、SDGsにとても関心があり、食品ロス(フードロス)削減に尽力しています。

実力派シェフが廃棄に驚いたフードロス食材とは? 食品ロスを救える画期的なコース(東龍)(Yahoo!ニュース)

フードロス食材(食品ロスとなった食材)から美食のイタリア料理コース「LOSS FOOD MENU」を生み出し、大きな反響を呼びました。通年にかけて提供されており、季節によって新しくなります。

環境への意識が高く、世界的に実力が認められている、カルミネ・アマランテ氏。このアマランテ氏が腕をふるう「アルマーニ / リストランテ」で、是非とも本物のイタリア料理を体験してみてください。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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