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チャンピオンズリーグ決勝。バルサの先制点に、日本の課題と未来がある

杉山茂樹スポーツライター

ユベントス対バルセロナ。CL決勝は、見応えのある一戦だった。決勝戦に「当たり」は少ないとは、これまでの取材経験に基づく実感だが、最後までハラハラドキドキさせられた今回は、数少ない例外。人生の得をしたような気持ちだ。

接戦になった理由は、ユーベの健闘によるところが大きいが、バルサ側に潜んでいたことも事実。開始4分という早い時間に、欲しかった先制点を手に入れたことで、余裕が生まれ、それが多少なりとも油断に繋がった。その後の攻めが雑になった。そうこうしている間にユーベが息を吹き返した。バルサは1点差を守る受け身の立場に、いつの間にか回っていた。攻撃的なチームが、受ける立場に回った時に露呈させるノリの悪さ、居心地の悪さが、接戦になった理由だと思う。

先制点が生まれた時は、サラな状態にあった。奪った3点の中で最も理詰めな崩しから生まれたゴールであったことと関係があるように思う。

メッシの大きなサイドチェンジが、左の大外に走り込んだジョルディ・アルバに通る。

そして、サポートに駆け寄ったネイマールが、そのボールを受ける。

ユーベ守備陣2人が、数的不利な状況を避けようと、慌ててそこに駆け寄ると、イニエスタがその背後、つまり空いた真ん中のスペースを突く。

ネイマールはその鼻先にボールを送る。

イニエスタは打てないこともなかったが、無理せずクールに、さらに中央よりに走り込んだラキティッチにラストパスを送球。

ゴールは次の瞬間に生まれた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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