3種の唐辛子をブレンドした「紅いこってり」。濃厚トロトロスープは、鶏と野菜の旨味に辛さの相性も抜群。
こってり一筋50年
ご存じ濃厚こってりラーメンといえば「天下一品」。昭和46ねん創業の京都の屋台発祥で、現在は全国に200店舗以上を展開。これだけの店舗数を展開するラーメンチェーンはごくわずかで、みなさんの身近にも結構あるお店ではないでしょうか。
福岡県では意外に少なく、博多・筑紫野・黒崎(八幡)の3店舗。そのひとつ、博多駅前店へ久しぶりのこってりパトロールでお伺いしてみました。
博多駅から徒歩5分程度にある場所、立地は抜群です。横長の建物は長いカウンター席と背中合わせにボックス席があり席数も多い。この博多駅前店は平成16ねんにオープンしたようで、ちょうど20年を迎えます。結構長い歴史がありますね。
天下一品の「こってり」といえば全国共通。もはや飲み物ではない濃厚さ、それが一番のインパクトでありウリでもあります。このスープは長い期間、試行錯誤を繰り返し生み出されたともいわれています。鶏ガラと野菜がベースとなっているので濃厚とはいいつつもヘルシー。そして美容と健康には良いとされるコラーゲンも含まれているようです。ただただ濃厚とはわけが違うのが、天一の魅力です。
赤ん粉ラーメン
こってりからあっさりまで選べてトッピングも豊富、お好みにあわせてチョイスできるラインナップ。その中で辛さを味わいたい「紅いこってり」がこちら。こってりベースに3種類の唐辛子「ハバネロ種」「天鷹種」「韓国種」に、山椒と黒胡椒をブレンドしたオリジナルスパイスをトッピングしたメニュー。
丼の真ん中にふりかけられた真っ赤な唐辛子パウダーが印象的。いかにも濃度が高そうなスープにネギとチャーシューがトッピングされています。赤ん粉メニューは「1辛:旨辛」「2辛:辛っ!」「3辛:あかん。」といったように自分で辛さのレベルを選べるようになっていて、これは〈3辛〉です。
昔どこかで、天一は野菜だからヘルシーで太らないよ、なんて聞いたことがあるけれど、確かに鶏ガラと野菜のベース、ヘルシーかどうかは置いといて、豚骨の濃厚とはまた違うのです。
濃厚でトロトロなスープはひと口飲むと、やっぱりガツンとくるインパクト。ただ、旨味が凝縮されているというスープは、味わいも良く後味スッキリといただけます。そこに赤ん粉を混ぜ合わせていくとジワジワと効いてくる、まさにシビれる辛さ。これがまたこってりに絡むと美味しい。鶏や野菜の旨味も相まって、辛さの刺激とも相性抜群。
麺は細めよりも少し太めのサイズでしょうか。この濃度ですから多加水ですね。モチモチっとした食感のですが、スープと麺という認識ではなく、スープに麺を絡めて食べる、そんな感じです。このドロっとしたインパクトこそ、天一の醍醐味でしょうね。もはやポタージュスープと言ってもいいかもしれない。
テーブルにある辛子味噌。濃厚なスープに味噌を加えるとさらに濃くなってはいきますが、また味に旨味が加わり味変を楽しめます。これも天一のオリジナルのようですね。
卓上には様々な調味料が。ラーメンだれやにんにくにコショウなど。あとはギョウザのたれやラー油ですね。こってりだけじゃなくあっさりもありますから、メニューにあわせてお好みで。
いわゆるラーメンという認識を変えさせるほど、インパクトがあり虜にする。〈麺を啜る〉のではなく〈麵を絡めて食べる〉それが天下一品。あらためて食べるとそう思う一杯でした。全国に展開し名を馳せる、これぞオリジナルのラーメン。もはやこってりが日本の文化のひとつと言っても過言ではないかもしれません。そして美味い一杯であることも間違いありません。
天下一品 博多駅前店
住所:福岡県福岡市博多区博多駅前3丁目22−25
営業時間:12時00分~23時45分
定休日:月曜日
アクセス:博多駅より徒歩5分
駐車場:近隣有料
公式HP:tenkaippin.co.jp